シオンズアイズ
この女は……!

先日、保護した女だ。

素早くシオンの腕を掴んで立たせると、彼女の腰に片腕を回して支え、カイルはアイーダを睨み付けた。

「女!何のつもりだ!?」

アイーダは、カイルの蒼白になった顔と口内に広がる血の味に絶望した。

そっと手で辿ると、胸に棒が突き刺さっている。

……射られた。

急激に力が失われ、左腕にはめたユグドラシルの腕輪に触れることが出来ない。

いや、たとえ触れてももう、この命は絶えるだろう。

一瞬眼を閉じたが、アイーダは再びカイルの青い眼を見つめた。

顔を見た瞬間にわかった。

この男もまた、シオンを愛しているのだと。
< 233 / 515 >

この作品をシェア

pagetop