シオンズアイズ
アイーダは、ニヤリと笑った。

「無駄だ。お前は愛されない」

カイルが眼を見開く。

「お前は、私と同じだ。愛されはしない」

その時、シオンの腰に回していたカイルの腕に、生暖かい何かが這った。

「っ!」

見ればシオンの肩から血が流れ、それが何本もの赤い線を描いてカイルの腕に滴った後、地に染み込まれていった。

「どんなにシオンを愛しても、お前のそれが報われることはない」

「死ね」

カイルは独り言のように呟くと、腰の長剣を引き抜いてアイーダの首をかき切った。

やだ、嘘……っ!

「や、めて、カイル。殺さないで」
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