嘘つきなあなたからの恋文。
「だからか……それで会えたのが一ヶ月後?」
蒼の問いに頭を横に振って答えた。
「え?どういうこと?」
「私がコタくんのお墓に行けたのは2年後、高3の9月9日なの」
「2年後…それなら8月9日でも良かったんじゃあ」
「…他の人はお通夜もお葬式も出席してたのに、私は2年も行けなかったのよ?
情けなくてどうしても8月9日には行けないの。
だから毎年1ヶ月遅れで彼に会いに行くの」
「思い込みすぎだろ」
「2日前に会った綾部くんにも言われたわ。
『みんな責めないよ』って」
年を取るというものは辛い…。
『反対にそれほど健二に執着してくれた、健二を小池の中で大切な存在にしてくれて…ありがとう』
40歳の綾部くんの優しい笑みで言われた言葉に道端なのについ泣き崩れてしまった。