嘘つきなあなたからの恋文。
家に上がらせて貰うとすぐに仏壇の場所に案内して貰った。
そこで初めて私はコタくんの遺影と対面した。
仏間の前でゆっくりと腰を下ろす。
優しい微笑みをこちらに向けるコタくんの遺影の姿は
「……あの頃と変わらない」
私は18歳になった。
あの頃から少し身長も伸びて、
あの頃知らなかったメイクも覚え、
あの頃より、外見は少し大人になった。
そう、私は3年という月日で成長してしまった。
でも遺影のコタくんは変わらない。
コタくんの時間はあの頃のままで止まってしまった。
同じ年、同じ時間を途中まで過ごしていたのに。
コタくんの時間はもう永劫動かない。
「私もね、思うの」
コタくんのお母さんが隣に座った。
「毎年あの子に会いに来てくれるあの子の友達と会う度にあの子はどんな子に成長していたのかなって…」
「……」
「どんなに考えても私の子は15歳で止まってしまったのにね」
私は知らない。
この人がどれだけの苦しみや悔しさを超えて来たか。
きっと私の遥か何倍も、何十倍も苦しんだだろう。
でも、
「あの子は私たち夫婦のかけがえのない光だった」
「私もです…私にとってコタくんは温かい光でした」
厚かましいが、私の中でも同じ気持ちがこの何年間計り知れないくらいあった。