嘘つきなあなたからの恋文。
地図と場所を見比べる。
「ここだ…」
少し階段が辛かったけど、何とか迷うことなく来れた。
目の前には花に囲まれた小田家之墓と記されたお墓。
「……着いた」
コタくんのお母さんは私の気持ちを分かっていたのかエプロンのポケットから1枚の紙を出した。
『これが地図よ』
受け取って地図を見るとコタくんのお墓はここから歩いていける距離だった。
『きっと私は行かない方がいいわ。
小池さん、1人で行ってらっしゃい』
そう言われコタくん家から歩いて15分の距離にその墓はあった。
『あの場所はね、最後にあの子の希望で選んだ場所なの。
少し苦労したけどあの子の最後の大きな我儘だもの、頑張ったわ』
コタくんのお母さんの最後の言葉を思い出す。
そっか…コタくん。
「貴方のその大切な思い出に私も入ってるよね?」
コタくんのお墓から見える景色の中心には私たちの母校の中学校があった。