嘘つきなあなたからの恋文。
確かに綾部くんも午前の当番だった。
けど、そこまで話したこともないのになんで誘ってくれるのか疑問を持つ私を放置してクラスメイトと綾部くんは話を進めていく。
「俺らって綾部、誰と回るの?」
「健二とだよ」
「あっ、オダ?なら花梨も仲良いし、一緒に回れるね」
「だろ?健二今トイレ行ってていないけど、小池ならあいつも反対しないだろ」
「そうだね、花梨綾部たちと行ってきなよ」
私の返事すら聞かずクラスメイトは綾部くんと話を済ませると
私の背中を押して教室から追い出した。
追い出された私と綾部くんは廊下でコタくんを待つことにした。
「綾部くん」
「何?」
「なんかいきなりごめんね?
それと仲間に入れてくれてありがとう」
「全然いいよ。
小池おもしろいし、男2人で回るよりか女子1人でもいた方が華があるだろ」
腕を組んで満足気に話す綾部くんを無言で見つめる。
「どうした?何か変だった?」
「綾部くん…言うことがなんか社会人のイケメンだね」
中3の男の子が華とか絶対言わない。
「さすがコタくんの親友だわ」
コタくんといい、綾部くんといい、この2人は何だか同級生っていう風には感じない。