嘘つきなあなたからの恋文。


「なんだよそれ」


「だってコタくんって大人じゃない?」


「またそんなこと言って…何度も言うけど同級生だって」


いつものお決まりの返事が綾部くん越しから返ってきて

真正面の綾部くんから身体をずらすと思ってた通りそこにはコタくんが立っていた。


「本当、小池さんは僕のこと買い被りすぎだよ」


トイレから帰ってきたコタくんは綾部くんの隣に立つ。


「健二、小池も一緒に回ることになった」


「いきなりだね。まぁ別にいいけど」


良かった…嫌がられてない。


「じゃあ順番に各々の行きたい所巡って行こうぜ。

レディーファーストということで、最初は小池に譲るよ」


「私?んー…」


いきなり振られたら何も思いつかないなぁ…。

昨日あんなに行きたい目星をつけていたのにいざとなったら忘れて頭を捻って考えても思い出せない。

どうしようかと考えていると、コタくんのフォローが回る。


「そういえば小池さん、昨日2年がやってるクイズ大会行きたいって言ってなかった?」


「あ、そうだ!クイズ大会!そこ行きたい!」


さすがは隣の席のコタくんだ。


「昨日あんなに話したのにこの音痴さんは」


「……そこ音痴関係ないでしょ」


まだ弄ってくるか!

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