嘘つきなあなたからの恋文。
「なにそれ、すげぇ面白そう。
今年俺らそれしようかな」
「なに言ってんのよ、逃げる方はすごい辛いのよこれ」
「でも母さん足速いじゃん。
音痴だけど、ウンチではないもんな」
「音痴は余計よ。
そりゃ、逃げたわよ。
3千円よ?学生にとっちゃ嬉しいものよ」
昨日の様に思い出す、あの日の死闘。
「大抵参加してた奴らは男子で、私必死に知らない奴らの大切な所を蹴って蹴りまくって逃げたわ」
「え…それって金た「そうよ」
最後まで言わせず肯定したら、蒼は顔を真っ青をにして自分の大切な場所を手で隠した。
「何隠してんの、別にあんたの蹴らないわよ」
「…想像しただけでも怖い」
「私の走った跡は男子が股間を抑えながら疼くまっていたわ」
遠い目をして語る母を恐ろしいモノを見る目で見てくる息子。
そんなに痛いのね、あれ。
「で?いつ告白するの。前振り長いよ」
「あともう少しよ」
この子は本当急かすんだから。
小さなため意を吐いて、席を立つと冷めたコーヒーを捨て、2杯目のコーヒーを作ることにした。
「鬼ごっこ終了まであと5分という所でコタくんと偶然廊下で出くわしたの」