嘘つきなあなたからの恋文。
「え……」
驚くコタくんにもう一度小さな声で発した。
「好き…好きなの」
静かな教室に小さな声が響く。
「……」
「……」
何も発しない彼に疑問を持ちながら彼の名を呼んだ。
「コタくん…」
彼に恋をしてずっと決意していたことがあった。
絶対自分から気持ちを伝える。
それはずっと決めていた。
いつ伝えるかは決めてはいなかった。
でもずっとイメージはしていた。
2人っきりの場所でちゃんと【好き】と言う。
そのイメージの中の彼は顔を赤くして、いつも見せる優しい笑顔を向けてくれる。
そう、どこかで確信を持つ程のイメージがあった。
けれど、現実の彼は
苦痛の表情をしていた。