嘘つきなあなたからの恋文。
「コタ……くん」
コタくんの表情を見た瞬間、高揚していた気持ちが一気に冷め、
徐々に視線が下がるコタくんを動かない身体で見つめる。
「小池さん」
待って
「気持ちはありがたいし」
待って
「小池さんのこと嫌いじゃないけど」
タイムマシーンなんてこの世にはないし、乗ってきた訳じゃない。
「僕」
でもこの先の結果なんて小学生でも分かる。
「ご「待って!!」
コタくんの言葉を遮ると、視線を上げたコタくんと目が合った。
そして、数秒間見つめ合う。
彼の優しい目が好きだった。
凛とした表情で見つめる真剣な表情も好きだった。
彼は大人でいつも私より先を見て考えて言葉を発する。
そんな彼が大好きだった。