私の師匠は沖田総司です【下】
そうなると、新選組は蒼蝶を探し始めるかもしれない。
出ていった仲間を探すかはわからねえけど、その可能性も視野に入れていた方がいい。
もし見つかったとき、蒼蝶は新選組に連れ戻されるかもしれない。
そう考えたら蒼蝶を部屋から出さない方がいいと思うけど
「龍馬さん」
「ん?」
名前を呼ばれ閉じていた目を開く。
「今日、外に用事があるって言いましたよね」
「ああ」
「そのっ……、私もついて行ってもいいですか?今日、体調が良いので久しぶりに外に出たいなと……」
「……」
「あっ、ダメだったらいいんです。ごめんなさい」
「いや、いいよ。一緒に行くか」
「はい!」
蒼蝶に残された時間は少ない。
だから、いくら見つかる危険があるからって、部屋に閉じ込めるなんてあまりにも可哀想だ。
動けるうちは窓以外から見える景色を見せてあげたい。
このままだといつか……蒼蝶は窓からの景色しか見れなくなってしまう日が必ずくるから。
わかっているからこそ、部屋に閉じ込めることはできない。