私の師匠は沖田総司です【下】

「平助のチビ!一君のムッツリスケベ!!」

そして口から飛び出したのは小学生でも思いつきそうな悪口でした。

組長、悪口のチョイスが幼すぎます。

その程度の悪口ならお二人は聞き流してしまいますよ。

……と思っていた時期も私にはありました。

私が思った以上に、組長の悪気口は平助君と斎藤さんに効いたようで

「総司ィ……、さっきの言葉、俺にとって一番の禁句でさァ……」

「ムッツリは認める。だが、俺はスケベではない。下心まる出しで天宮に触れようとしている総司には一番言われたくない言葉だ」

どうやらお二人の逆鱗に触れたようですね。

「はぁ?平助は事実を述べただけだし。しっかり現実をみなよ。一君にいたっては僕は下心なんかありませんが。そんなこと考えてる時点で一君はスケベだよね」

三人の間でバチバチと火花が散ります。

ど真ん中にいる私はかなり気まずい状況ですね。
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