ポーカーフェイス
サングラスをかけたスーツ姿の男が真離の真正面に腰かける。

男「お前が噂の秘女乃真離か。」

男は黒いサングラスを額まで持ち上げて真離の顔をじっと見た。

その男の目は笑わない。
真離は今まで見たことのないような風貌のその姿に少し驚きを隠せずにいた。

男「俺の名前は杉浦だ。」

真離「杉浦様、今回は大変なミスをしてしまいまして、申し訳ございませんでした。」

真離は後ろに下がり土下座をした。
真離は額を畳につけてじっと目を開けていた。

男「頭を上げろ。」

その言葉で真離は頭をあげると男は口を開いた。

男「大した失敗ではない。こんな小さなミスなんぞいくらでも書き消す事は簡単だ。ただし…」

男はそう言って真離をじっと試すように見て眉間にシワを寄せる。

しかし真離はその顔色に驚く事はなかった。

そうすると男は顔色を普通に戻しながら話始めた。
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