ポーカーフェイス
電話を切った翌日、真離は城之内に言われた通りに先方へと謝りに向かう。

真離の自宅前にはいつものように佐武が車をとめてドアを開けて待っていた。
真離は無言で車に乗り込んだ。

佐武は運転手席に乗り込み
「それでは、出発いたします。」

そう言って車を発車させた。

車の中で佐武が真離に話かける。

佐武「珍しくミスをしてしまったみたいですね、真離様。」

真離は窓の外を眺めて口を開く。

真離「ちょっとした落とし物をしただけよ、大したことないわ。」

佐武「そうですか‥」

そんな会話をしているうちに車は相手のいる場所へと到着した。

その館の回りには何台かの黒塗りの車が止まり、館の外観は監視カメラで厳重に警備が施されている。

そんな館の裏手の小さな勝手口から真離は部屋の中へと案内される。

こちらで少しお待ちください。

そう言われ、地下の間接照明の施された和室へと通された。

真離はテーブルの前の座布団へと腰かけた。
数分してからだろうか、コンコンとゆうノックと同時に障子が開いた。
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