ポーカーフェイス
真離はこの日を境に今まで属していた組織の幹部に自分がチームから外れる話を持ちかける。

オフィスで仕事をする上司に真離は話しかける。

真離「今夜、仕事がおわって皆さんが帰った後大事な話があります。なのでこの部屋にそのままいてください。」

上司は忙しそうに電話を片手に電話をしながら、片耳で真離の話と電話の相手と会話をする。

上司「あ、はい。よろしくおねがいします。」

上司「え?秘女乃くんなんて?」

真離は電話をする上司を待つことなく話をする。
真離「大事なお話があるので、仕事後ここにいてください。では。」
そう言って真離は上司に背を向け、カツカツとヒールで部屋の出口の方向に歩いていく。
上司は椅子に座ったまま、真離の話にうんうん。と頷き取り引き先と話す。
上司「あーはいはい。それで、ええ、その方向で取り引きお願いします。はい、はーい。では。」

電話をひとしきり終えた後上司は慌てて真離を引き留める。

上司「ひ、秘女乃くん。なんて?」

真離はドアの入り口で振り返って言う。

真離「三度目です。これが最後です。今日大事なお話があるので、この部屋に皆が帰った後、のこってください。では。」

上司は真離が偉そうに話をすることに内心いらつきながらも、怒りを押さえる。

上司「わかったよ!あーもう。僕は聖徳太子じゃないんだよ。ちょっとは、こっちにペースを合わせてくれよ!」

と、そう叫んだ先には真離はもういなくなっていた。
上司はため息をつく。

上司「はぁ…たっく。油断も空きもなければ、逃げ足も早い女だな。はぁー。」
そう独り言を呟いた。
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