ポーカーフェイス

真離「自分を犠牲にできない、自分の欲求も何ひとつ我慢できないくせに、そうやって要求ばかり押し付けてくるのやめてくれる？」

そう言い返し、真離は和樹を足で蹴り飛ばした。

和樹が後ろに転けた瞬間に真離は玄関へとさっと走り扉を閉めて部屋から出ていった。

和樹はグッと唇をかみしめると、真離から吐き捨てられた言葉を思い返す。すると、言葉が頭の中をもう一度ぐるっと一周した。


自分を犠牲にできない、自分の欲求も何ひとつ我慢できないくせに、要求ばかり押し付けてくるのやめてくれる？

自分を犠牲にできない、自分の欲求も何ひとつ我慢できない…

その言葉が何度も和樹の頭の中に鳴り響いた。