スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
それぞれ車の席に座り、荒木さんがコホンとする。
「眼鏡、直してくれてありがとう」
「私も、人の波から押しつぶされないようにしていただいてありがとうございます」
「うん」
「今日は買い物が出来て嬉しかったですし、カメラをじっくり見れて良かったです」
「俺も同じで、色々見れて楽しかった」
今まで前髪があって表情が読みづらいのが当たり前だったから、眼鏡のお陰で表情が分かりやすくて、荒木さんの笑顔がこんなにも素敵でドキドキしている。
こんな笑顔、ズルい。絶対、荒木さんは自分の笑顔に気づいてない。
「帰ろう」
「はい」
シートベルトをしてエンジンがかかり、車は商業ビルの地下駐車場を出て、都内を走行している。
「少しだけ休憩に立ち寄っていい?」
「良いですよ」
朝からずっと運転をしてもらっているし、車が何処かに停まったら何か温かい飲み物を買おうっと。
車がとある公園の駐車場に着いて、空いてるスペースに停まるとエンジンが止まり、2人で車から降りて外の景色を見ると、赤い電波塔が見える。
荒木さんは両腕を上に伸ばしたり、首元に手を添えて首をぐるぐる回した。
「長時間の運転、疲れますよね」
「疲れもあるけど、お出かけが出来たから平気」
「私もです。あ、あそこで飲み物を買ってくるんで待っていて下さい!」
公園の真ん中にドリンクのキッチンカーがあったので、1人で駆け寄ってキッチンカー側の看板メニューをチェックすると、種類はどうしよう、ブラックやラテもあるけど、好みを聞いてない…、あ、これなら良いかもと2つの飲み物を選び、溢れないように蓋をつけてもらって、両手それぞれに持って荒木さんの所に戻って、荒木さんの左隣に立った。
「ホットミルクです」
「ありがとう」
選んだのはシェアハウスで飲んだと時と同じホットミルクで、砂糖も少し足したから、蓋の飲み口を開けて飲んでみるとちょっぴり甘い。
「生き返る」
「はい。温かいですね」
2人で身体を車に預けながらホットミルクを静かに飲み、
空が段々と夕焼けになり、暗いところも出始めたなと思ったら赤い電波塔がパッと明るくライトアップされた。
「綺麗…」
そう呟くと視線を感じたので荒木さんの方に顔を向けると、荒木さんは私のことをじぃっと見ていて、どうしよう、眼鏡のお陰で荒木さんの瞳がよく分かって逸らすことが出来なくて、どう言葉を出そう。
「あのさ…」
「はい」
「“充電”、していい?」
「……」
私が黙って頷くと、荒木さんがそれぞれのホットミルクのカップを車の屋根に乗せ、私をギュッと抱きしめ、前にシェアハウスの玄関で抱きしめられた時と一緒で、すっぽりと包まれる。
前と同じ『疲れているから“充電”させて』って言っていたし、これが荒木さんの疲れが取れるならと目を閉じてシャツ越しの心音を聞き入る。
「ずっと運転をしていただいて、ありがとうございます」
「うん」
すると荒木さんのワンショルダーバックの中からスマホの着信音が聞こえたけど、荒木さんは腕の力を弱めなくて、それでもまだ着信音が続く。
あ、切れたと思ったら再び着信音がー…、そっと荒木さんを見上げると眉間の皺が深く寄っていて、自然と腕の力が緩んで距離が出来た。
荒木さんはワンショルダーバックの中から着信音が続くスマホを取り出して画面を見ると、盛大な溜め息を吐いて、私に背を向けてスマホを耳に当てる。
「何?」
うわぁ、声が怒ってる。
『電話に出るの遅いぞ〜』
あぁ、スマホから漏れて聞こえた声の口調からして“声の主”が想像が出来る。
『水瀬達と飲ー…』
「行かない」
荒木さんが“声の主”に被せるようにそう言うと、スマホの通話を終えて、こちらに顔を向ける。
「帰ろう」
「はい…」
車の上に置いたカップをそれぞれ手にして席に戻り、荒木さんはスマホをスタンドに置いてナビでシェアハウスを指定し、車がそこに向けて走り出した。
「眼鏡、直してくれてありがとう」
「私も、人の波から押しつぶされないようにしていただいてありがとうございます」
「うん」
「今日は買い物が出来て嬉しかったですし、カメラをじっくり見れて良かったです」
「俺も同じで、色々見れて楽しかった」
今まで前髪があって表情が読みづらいのが当たり前だったから、眼鏡のお陰で表情が分かりやすくて、荒木さんの笑顔がこんなにも素敵でドキドキしている。
こんな笑顔、ズルい。絶対、荒木さんは自分の笑顔に気づいてない。
「帰ろう」
「はい」
シートベルトをしてエンジンがかかり、車は商業ビルの地下駐車場を出て、都内を走行している。
「少しだけ休憩に立ち寄っていい?」
「良いですよ」
朝からずっと運転をしてもらっているし、車が何処かに停まったら何か温かい飲み物を買おうっと。
車がとある公園の駐車場に着いて、空いてるスペースに停まるとエンジンが止まり、2人で車から降りて外の景色を見ると、赤い電波塔が見える。
荒木さんは両腕を上に伸ばしたり、首元に手を添えて首をぐるぐる回した。
「長時間の運転、疲れますよね」
「疲れもあるけど、お出かけが出来たから平気」
「私もです。あ、あそこで飲み物を買ってくるんで待っていて下さい!」
公園の真ん中にドリンクのキッチンカーがあったので、1人で駆け寄ってキッチンカー側の看板メニューをチェックすると、種類はどうしよう、ブラックやラテもあるけど、好みを聞いてない…、あ、これなら良いかもと2つの飲み物を選び、溢れないように蓋をつけてもらって、両手それぞれに持って荒木さんの所に戻って、荒木さんの左隣に立った。
「ホットミルクです」
「ありがとう」
選んだのはシェアハウスで飲んだと時と同じホットミルクで、砂糖も少し足したから、蓋の飲み口を開けて飲んでみるとちょっぴり甘い。
「生き返る」
「はい。温かいですね」
2人で身体を車に預けながらホットミルクを静かに飲み、
空が段々と夕焼けになり、暗いところも出始めたなと思ったら赤い電波塔がパッと明るくライトアップされた。
「綺麗…」
そう呟くと視線を感じたので荒木さんの方に顔を向けると、荒木さんは私のことをじぃっと見ていて、どうしよう、眼鏡のお陰で荒木さんの瞳がよく分かって逸らすことが出来なくて、どう言葉を出そう。
「あのさ…」
「はい」
「“充電”、していい?」
「……」
私が黙って頷くと、荒木さんがそれぞれのホットミルクのカップを車の屋根に乗せ、私をギュッと抱きしめ、前にシェアハウスの玄関で抱きしめられた時と一緒で、すっぽりと包まれる。
前と同じ『疲れているから“充電”させて』って言っていたし、これが荒木さんの疲れが取れるならと目を閉じてシャツ越しの心音を聞き入る。
「ずっと運転をしていただいて、ありがとうございます」
「うん」
すると荒木さんのワンショルダーバックの中からスマホの着信音が聞こえたけど、荒木さんは腕の力を弱めなくて、それでもまだ着信音が続く。
あ、切れたと思ったら再び着信音がー…、そっと荒木さんを見上げると眉間の皺が深く寄っていて、自然と腕の力が緩んで距離が出来た。
荒木さんはワンショルダーバックの中から着信音が続くスマホを取り出して画面を見ると、盛大な溜め息を吐いて、私に背を向けてスマホを耳に当てる。
「何?」
うわぁ、声が怒ってる。
『電話に出るの遅いぞ〜』
あぁ、スマホから漏れて聞こえた声の口調からして“声の主”が想像が出来る。
『水瀬達と飲ー…』
「行かない」
荒木さんが“声の主”に被せるようにそう言うと、スマホの通話を終えて、こちらに顔を向ける。
「帰ろう」
「はい…」
車の上に置いたカップをそれぞれ手にして席に戻り、荒木さんはスマホをスタンドに置いてナビでシェアハウスを指定し、車がそこに向けて走り出した。