スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
車が商業ビル群につくと、荒木さんは車を白い商業ビルの地下駐車場に進め、空いてるスペースに車を停めてそれぞれ座席から降りた。

エレベーターの所に行くとこの商業ビルの案内図があり、カメラは5階で手帳関連は7階になっている。

「どっちから見たい?」
「手帳から見て、カメラはじっくり手に取りたいです」
「分かった」

荒木さんがエレベーターのボタンを押すと、エレベーターの階数表示がどんどん少なくなり、扉が開くと沢山の買い物客がエレベーターから降りて駐車場に向かって行き、私たちはエレベーターに乗って先ずは7階に上った。

沢山の文房具がある中で手帳を扱っているスペースに行き、並べられている手帳を1つ1つ手に取って中身を見る。

「先輩達は大きめだったり、コンパクトだったよな」

会議室のホワイトボードに貼られた付箋を手帳にメモする先輩達の姿が浮かび、薄いよりもメモが取れるようにノートの部分があって、月間と週間を見比べて、うーん両方あると予定とか空き時間も分かりやすいよね。

色々手に取って考える私の側で、荒木さんはひと言も口を出さずに付き添ってくれる。

「これはどうかな?」

手にした手帳のサイズはB6サイズで、厚さも薄くなく、月間と週間、ノートのページがバランスが良くてこれなら良いかもと購入を決めた。

「この手帳にしますので、レジに行ってきます」
「うん」

手帳をギュッと抱きしめレジに向かい、荒木さんは離れた場所で待っていて、お会計を済ませて次はカメラ売り場に移動し、やっぱりカメラの種類が多いなぁ。

「いきなり一眼って冒険ですかね」
「まぁ、値段をみたらもっと節約しないと」

荒木さんが指差した一眼の値札を見ると、後何年働いておかないといけないと計算する自分がいた。

「先ずはデジカメからにします」
「優先順位を決めた?」

2人でデジカメが展示されているエリアに行き、端から見て、手に取って電源を点けてみる。

「田所副編集長のように動きというより、静止画が多くなりそうです」

自分の企画のテーマに合うように写真を撮りたいから、優先順位を荒木さんと一緒に確認しながらデジカメを触っていき、荒木さんも一緒に他のデジカメを触っている。

「これはどうかな」

手に取ったデジカメの電源を入れて、液晶画面の明るさが丁度良いし、何か写してみようかと値札や足元を写してみて、これって画像を振り返るときってどうすれば?と色々とボタンを押す。

「操作が難しい?」
「まだボタンの種類とか分かりづらくて」
「どの辺?」

荒木さんが私の側によってデジカメの液晶画面を覗き込んでくるから、その顔の距離がとても近い!!どうしよう、また顔が赤くなる。

「この緑を押して、左矢印をー…あっ」

荒木さんも顔の距離感に気づいたのか、説明が途中で止まり、2人して顔が赤くて、荒木さんはコホンと咳払いをする。

「いざって時にボタンが押せないと瞬間を逃すから、違うのにしよう」
「はい」

デジカメをそっと戻し、どんどんデジカメを触っていき、どうしよう、こんなにもあると選びきれないし、荒木さんを待たせちゃ駄目だ。

「今日は様子見で、幾つか気になった物のパンフレットを貰います」
「分かった。次も選ぶ時に来よう」

“次も”って、また一緒に出かけられるんだと思って嬉しいな。

「はい!」
「じゃあ、帰ってカーペットを敷こう」

パンフレットを幾つか手に取ってバックにしまい、一緒にエレベーターに乗り、地下へと降りていき、3階で停まるとドアが開いて続々と人が入ってきて、その波に流されて2人してエレベーターの隅っこまで押されたけど、荒木さんが私の正面に立って両手を私の頭上の壁の位置に手をついて、これ以上人の波に押されないように防波堤の役割をする。

そっと見上げると、荒木さんの黒ぶち眼鏡が少しズレていて、直そうかと思って自分の両手を荒木さんの眼鏡に伸ばして、ズレた黒ぶち眼鏡を静かに戻すと、荒木さんの目が見開いて顔がまた赤くなって、しまった…、また何か言わてるかもと思ったら、地下駐車場の階数へエレベーターが到着し、人がどんどん減っていき、お互い手を静かに戻して、エレベーターから降りて車に向かって歩いた。
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