スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
一美さんとのスマホの通話を終え、一美さんが来るまでずっと荒木さんの手を両手で包む。

さっきまで流れていた涙は引っ込み、鼻を数回啜りながら荒木さんを見つめ、今日の運転は朝からだったし、もし次カメラを見に行くときは運転は断って電車で行くことを提案しなきゃ。

時間ってどれくらい経ったか分からないやと思ってたら、シェアハウスの玄関のドアが開かれる音が聞こえ、複数の足音が此方に向かってくるのが聞こえ、現れたのは一美さんと、一美さんより背が高い男性で、その人は顔の堀が深くて顎髭があり、長髪を後ろに1つ束ねていて大人な男性だと感じたけど、この人は一体どうしてここにと体が警戒する。

「時間がかかってすいません。仁はまだ起きないですか?」
「まだ起きないです。えっと、貴方は…」
「ああ、俺は仁の弟の三斗(みと)です」
「お、弟さん?!」

荒木さんとは似ていないという言葉が出そうになるのをグッと我慢した。

「先ずは兄ちゃんをリビングに運ぶから、姉ちゃんは彼女のケアを頼む」
「任せて」

三斗さんがこちらに来たので両手をそっと離し、三斗さんは荒木さんの腕を取って体をお越して支えながら立ち上がる。

「三斗?」
「先ずはリビングに行くぞ」
「…うん」

良かった、何とか荒木さんは意識を取り戻してくれてホッとし、三斗さんが荒木さんを支えながら先にリビングに行くのを見届けたら、一美さんが私をそっと抱きしめた。

「もう大丈夫。連絡をくれてありがとうございます」
「は…い…」

張り詰めていた緊張感が解放されたのか、涙がどんどん流れてくる。

「す、すい…ませ…ん」
「ううん。倒れたら誰だって心配になるし、泣いていいのよ」

一美さんが泣く私の背中を優しくポンポンと叩いてくれるので、また涙が流れちゃう。

「も〜、こんなに泣かせちゃって。後で仁を思いっきりぶっておくね!」
「ふふっ」

優しいなぁ、私は一人っ子だから姉妹や兄弟の関係性が羨ましいな。少し経って泣き止み、もう大丈夫。
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