スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◇お詫びのデザート時間
先にリビングに戻って小さいソファに座り、今日のお出かけで買ったピンクのクッションを抱きしめながら、リビングのドアの前で一美さんに抱きしめられたことを振り返る。

食器を洗い終わって食器棚に戻して、2人でゴミなどを袋に入れて掃除し、一美さんは帰る仕度を始めた。

「夜だったのに来て頂いて、本当にありがとうございました」
「倒れた仁が1番悪いから、気にしないで」
「ほんとに焦って、このまま目を覚さないのかと思いました」

一美さんが荷物を持ったので一緒にリビングを出ると、ギュッと抱きしめられた。

「大丈夫。もう大丈夫だよ」
「はい」
「仁はああいう子だけど、宝条さんとのお出かけは楽しんでいたと思うよ」
「……知ってます」

帰りの車で見せた、荒木さんの笑顔が浮かぶ。

「台無しにされたデートのお詫びは、とびっきりのデザートを奢らせなきゃ駄目よ。遠慮は駄目だからね」
「ふふっ、そうします」
「うん、いい笑顔」

抱きしめられた腕の力が抜けて、お互いクスッと笑い合い、一美さん達はシェアハウスを出ていった。

リビングのドアが開かれる音がして荒木さんが入って来て、私の側に来て腕を掴むと立ち上がらせて、私はピンクのクッションを持ったまま大きいソファに連れてかれ、隣同士に座る。

「今日、お風呂上がりに意識を飛ばしてごめん」

私に体を向いて深く頭を下げる荒木さんに、思ったことをどう伝えようか?と思い、ピンクのクッションをギュッと抱きしめた。

「顔を上げてください」
「………」

荒木さんが静かに頭を上げてお互い向かい合い、私はピンクのクッションで荒木さんの胸元をポンと叩く。

「いきなりダンッと音が聞こえて驚きました」
「うん」
「お風呂に行ったら倒れてて」
「うん」
「目を覚…さな…のかと思…まし…た」
「ごめん」

視界が滲みながらピンクのクッションで荒木さんの胸元を何度も叩きながら気持ちを伝え、最後は泣いてる顔を見られたくないと抵抗して、ピンクのクッションを自分の顔に持ってきて隠した。
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