スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
プリンアラモードを食べて笑う荒木さんが話したのは、四つ葉出版社には伝統になっているイベントが2つあり、1つは2月のバレンタインで各部署の上司から受け取った福利厚生費3000円で代表者がチョコを買い、それを持ち寄って大きな会議室に総務課が装飾や机の配置を考えて“チョコバイキング”を行うもので、毎回色んなチョコを食べれるとのこと。

もう1つは3月のホワイトデーの時期で、“都内のホテルのスウィーツバイキングを食べ尽くす”というイベントで、男性社員達が料金を負担し女性社員は無料という、女性社員の出席率100%のイベントだ。

2つとも高坂専務が考えたそうで、何となく高坂専務が思いつきそうなイベントだよなと思う。

「姫川と俺は3月のイベントは行かないけど、水瀬は両方のイベントを楽しんでる」
「水瀬編集長って甘党なんですかね」
「3月が1番乗り気。今年のイベントもお皿いっぱいに乗せるのを5周したって、本人が言ってた」
「そんなに?!」

私と葵でさえ3周いくか、デザートと一緒に飲み物を飲むからお腹いっぱいになるのに、水瀬編集長の5周は凄い。

「ずっと遅くまで仕事してるし、土日も取引先と会ったりするから糖分補給は欠かせないって」
「それでも5周は凄いですよ」
「姫川もその話を聞いて呆れてた」
「想像がつきます」

お互いクスッと笑い、デザートを一匙掬って食べてゆっくり口を動かす。

「宝条さんが自分のカメラを見つけて買ったら、その後は甘い物を食べに行く?お店は宝条さんが行きたい所がいい」

荒木さんの突然の提案に、次の一匙の手が止まる。

「私が選んでも良いんですか?」
「俺はお店に詳しく無いけど、車は出せるから場所は選んでくれると嬉しい」
「分かりました!選んだら伝えます!!」

やった!お詫びとしてじゃなくて、また出かけられるんだと思うと嬉しくて、ニヤける顔を誤魔化すように一匙掬ってミニパフェを食べ続けた。
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