スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~

※ファミレス男子会とお泊まり保育の約束side水瀬

side水瀬

なんで俺が今甘い物を食べていると、仁は分かっているんだろうと、チョコのミニパフェを食べながら思う。

「お前だけだな、食後に甘い物を食う奴」
「せっかく来てるんだし、いいだろ」
「先月のデザートブッフェも水瀬は食べてたよね」

俺の対面の席に座って居るのは呆れながら珈琲を飲む姫川で、俺の隣に座って烏龍を飲む高坂さんは俺がミニパフェを食べる姿に苦笑をしている。

「普段仕事ばかりだし、いいじゃない」

俺は半分拗ねた感じで一匙掬って、ミニパフェを食べる。

「たまには違う場所で食べるのも良いねぇ」
「ファミレスに来たのって、いつぶりだ?」
「仁が半年前に『食事ならお酒無しのお店で食べたい』って言って、じゃんけんして姫川の案だったよね。それ振りじゃない?」

そう、俺たちが居るのはファミレスで、本当はいつものBarで飲んでて、高坂さんが仁に声をかけようと電話をしたらガチャ切りされてシクシクしてたな。

その後お店に誰かから電話が架かってきて、仁が風呂場で倒れたから閉店してもいいかと弟の三斗さんから申し訳なさそうに言われ、そこは一大事だから行って下さいとなり、俺たちは違うお店に行こうとなって、またしてもじゃんけんで決めたのだった。

「荒木がお詫びに【もりや】で昼メシを奢るってよ」
「良いねぇ。仁の奢りって初めてかもな」
「そうだね。この前一緒に行ったけど、あのお店は美味しいよ」
「俺の弟から魚を提供してもらってるから、味の保証はする」
「なんだよ、3人して俺を誘わずにお昼を行ってんのかよ。高坂、寂しい」

姫川と俺が【もりや】の料理を褒めると、両手で顔を覆って泣き真似する高坂さんに姫川の眉間の皺が深く寄せられ、目も厳しい。

「この後も馬鹿なことを言い続けるなら、その唇の左端部分に痣を作った奴と同じように、今度は右側に痣を作るぞ」

姫川がそう言うと高坂さんはパッと両手を離して、唇の左端部分に貼られている絆創膏に手を添える。

「それは勘弁して欲しいな。これ以上痣が出来たら、かっこいい顔が台無しじゃん」
「なぁ水瀬、こいつ殴っていいか?」
「殴ると警察沙汰だし、姫川だって本気で殴らないでしょ?」
「ちっ。でも高坂をぶん殴る奴なんて、いるんだな」
「ね。四つ葉でもざわついてたね。俺の部下なんて『次に顔にガーゼや絆創膏をつけるのは荒木編集長かと皆で予想してたのに、先に高坂専務だとは思わなかったです』って」
「そうなの?でも姫川の時も痣が凄かったよな」
「手加減無しで弟に殴られたからな。俺は水瀬が手を出すとは思わなかったぞ。ま、殴った相手はクズだったからそいつは殴れても仕方ねぇ」

そう、姫川は弟さんに殴られ、俺は恋人を悪く言った元彼に手を出して反撃されて殴られ、ガーゼをして四つ葉に来た時は部下達にびっくりされてたっけ。まさか部下達が次の予想をされていたとは思わなかったけど。

「仁もいつかガーゼとか絆創膏をしてきたらどうする?」
「荒木が殴るとかされるイメージは無いが」
「え?俺、昔に仁に殴られて奥歯が欠けたよ」
「そうなの?!」
「マジかよ」

俺と姫川が高坂さんがサラッと仁に殴られたとを話すことに驚くのは無理もない、それくらい仁の印象は淡々としていているし、感情を前面に出した所を見たことがない。

「全部俺が悪いし、仕方ないよ。ほら、チョコがまだ残ってるし、食べなよ」
「うん」

高坂さんに促され、俺はミニパフェを食べ続け、食べ終わるとお会計し、姫川はファミレスの最寄り駅から帰るって言うのでここで別れ、俺は高坂さんの車に乗ってマンションの近くまで送ってもらうことになった
< 117 / 217 >

この作品をシェア

pagetop