スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
階段を降りきって始めて競技場内に入り、サッカーチームが休憩しているベンチに行くと、本物のサッカー選手って皆体つきが大きく、足の太さがただ太っているのではなくて、筋肉のつき方がその競技をずっとプレーしていると象徴しているのが分かる。

「お待たせしました」
「お疲れ様です」

振り返るとA班の水野先輩と秋山先輩の男性社員で、2人は田所副編集長と一緒にサッカー側の取材や撮影を担当している。

「お疲れ様です。今日、撮影の見学で来たのですが、合間合間に質問をさせて頂いても良いですか?」
「良いよ。荒木編集長が先に挨拶して俺たち、宝条さんの順で名刺交換するけど、名刺を持ってきてる?」
「あります!」

荒木さんを先頭に4人でチームの監督に挨拶と名刺交換を順に行い、水野先輩はバックから“Scoperta”の過去の雑誌とクリップに留めた紙束を取り出し、秋山先輩はバックから一眼カメラを取り出してカメラの設定をし始める。

「これが我が社が発行している雑誌です。私と秋山はサッカー側を主に担当し、本日はサマーリーグのー…」

水野先輩が監督に説明をしている姿に、自分が今後取材相手にどうやって自己紹介や取材目的に来たことの説明をせねばいけないから、参考にしようとバックからペンとノートを取り出し、企画作りのページの続きには書けないから、違うページから書き始めた。

「……」

荒木さんは私たちからそっと距離を取って、水野先輩と秋山先輩の様子を眺めている。

「ー…というイメージを考えてまして、早速ですが撮影に入っても宜しいでしょうか?」
「ええ。おーい、キャプテンと石井!こっちに来い!」

監督が2人の選手を呼び、こちらに来るけど、写真よりもサッカー選手ってこんなに背が大きいの?とぽかんと見上げてしまう。

「おーい、宝条さん?」

秋山先輩が私の顔の前に手を上下させて、意識がハッと戻る。

「す、すいません。普段会議室の写真でしか見たことがなくて、とても背が高くてつい…」
「写真や映像だと実際の体つきが分からないよね」

秋山先輩は私の反応に笑う。

「石井は入団してから何センチ伸びた?」
「8センチは伸びてますね。寮母さんの料理が美味しくて、ここに来てから3食きちんと食べるようになったのが伸びた理由です」
「では現在の活躍もその方のおかげなんですね」
「ええ、そうです。俺たちの食事の好みを常に気を付けて頂いて、とても感謝してます」

キャプテンと石井選手の会話に水野先輩が絶妙なタイミングで会話に入り、水野先輩は聞きながら小さいメモ用紙にペンを走らせ、秋山先輩は様々な角度から一眼カメラで撮影をしていく。

まだ本格的な撮影ではないのに、水野先輩はインタビューと雑談を交えて場の雰囲気を温め、2人の選手も段々と表情が朗らかになっていて、秋山先輩も撮影する距離を考えながらボタンを押していて、凄い…これが取材の現場なんだ。
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