スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
水野先輩と秋山先輩のお陰で場の雰囲気が温められ、いよいよ撮影モードに入る。

「先ずはソロのカットからで、次は握手、握手しながら全身が入るよう、私が撮影します」

秋山先輩がバックの中から撮影道具を取り出して準備を始めるけど、私もただ見てるだけじゃなくて動こう。

「私に出来ることはありますか?」
「じゃあこのカメラを固定する三脚を設置して貰おうかな。説明書はこれ」
「やってみます!」

初めて触る撮影道具を説明書を確認しながら三脚に作り、次は秋山先輩と一緒に折りたたみ式のレフ板を設置したりと準備を進め、秋山先輩が一眼カメラを三脚に取り付け、レンズをいじったり、何度もファインダーを覗く。

「宝条さんはこのレフ板をこっちの場所から持ってもらっていいかな?」
「この位置で良いですか?」

秋山先輩と私で撮影道具を試行錯誤しながら用意し、先ずはソロカットから始まり、秋山先輩はファインダーを何度も覗きながらボタンを押し、次々と撮影を行なった。

私の足元に何かが当たった感触があって視線を落とすとそれはサッカーボールで、どうしよう、レフ板を持ってるから手が離せないやと動揺していたら、石井選手がすたすたと私の所に来て、サッカーボールを足で退かしてくれて、その場で右足でボールを何度も蹴り上げる。

石井選手がどんどん蹴り上げる技をしていく姿にわくわくして見ていたら、ボールを操る石井選手の表情も段々笑顔になってきた。

「す、凄いです」
「よっと」

石井選手がボールを太ももの上に乗せたり、左右の足でボールを転がしていく。

「キャプテン!」
「任せろ」

石井選手がキャプテンに向けて軽くボールを蹴り上げると、キャプテンは大きな胸元でボールを受け取り、キャプテンも同じようにボールを操りし始め、石井選手とは違う技に周囲が沸き上がる。

秋山先輩は最初は三脚から一眼カメラでその様子を撮影をしていたけど、そこから外してキャプテンの側に行き、どんどん撮影をしていて、いいな、私もカメラを持っていたらこの瞬間を撮りたいな。

すると私の視界の右からにシルバーのデジカメが入ってきたので、ビクッとしたら荒木さんが私にデジカメを差し出している。

「レフ板を持つから、“自分の目”で撮ってご覧」
「…はい!」

荒木さんとレフ板とデジカメを交換し、私も荒木さんのデジカメを手に取って、キャプテンと秋山先輩の邪魔をしないように距離を取ってファインダーを覗き、自分が撮影したい瞬間を見つけ、ボタンを押すと、小さくピッと音がして写真が撮れた。

「……」

そこからは夢中で写真を撮り続け、キャプテンの技が終わると周囲から拍手が沸き上がり、水野先輩も秋山先輩も、私も大きく拍手をし、私は石井選手に近づいた。

「私がレフ板を持っていて何も出来なかったのに、その後、素敵なボール捌きに夢中で見てしまいました」
「良い反応をしてくれたから、俺も楽しめたよ。この後、ゴールキーパーと一緒にシュートの練習をするから見てみる?」
「良いんですか?」

私は荒木さんと水野先輩達に顔を向けると、3人は頷いてくれたので、私は改めて石井選手に顔を向けた。

「是非、見学させて下さい」

御礼を込めて深くお辞儀する。

「早速行ってみようか」
「はい!」

私は秋山先輩と一緒に撮影道具の荷物を纏めてゴール付近に向かい、荒木さんもその後に続き、いざゴールの場所に来ると、こんなにも大きいんだ。
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