スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
言葉がうまく出てこないのは当たり前というか…、だって荒木さんが上半身裸でタオルで頭を拭いる姿なんだもの!!! まだ下は黒のスウェットパンツを履いていたから大丈夫だけれど、いや大丈夫って何?

さっきまでの荒木さんの前髪は目のところにかかっていたから表情が分からなかったけれど、今は濡れた髪をタオルで拭いていたせいもあって初めてどんな顔をしているのかが分かった。

掻きあげられた前髪から水滴がぽたりと荒木さんの輪郭をなぞるように落ち、私をじぃっと見る瞳は切れ長の険のある漆黒で、すーっと通った鼻、整った顔立ちだと分かると、私はお風呂に入ってもいないのに顔が一気に真っ赤になったのが分かる。

私の手から落ちたスキンケアセットのボトルが荒木さんの足元にころころと転がると、荒木さんがボトルを拾い上げてそれを洗面所のスペースに置いた。

「お風呂、入れば?」

荒木さんは上半身裸のままタオルで頭を拭きながら私の横を通り過ぎてお風呂場を出て行き、お風呂場のドアが閉まる音にハッとして、ドアを開けたことを謝らなきゃ!

急いでお風呂場のドアを開けるとリビングに入ろうとする荒木さんの背中に大きな傷が見えて、その傷は右肩から左腰にかけて斜線になっていて、思わずごくりと唾を飲み込み、声をかけることが出来なかった。

静かにドアを締めて、お風呂に入る状態にし、湯船に浸かりながらさっきドアを開けた時の光景を思い出す。

初めてお風呂上がりの男性の体を見ちゃった…、上半身も凄く引き締まっていてスポーツとかしていたのかな?それに私が裸を見ても全然動じていなかったなぁ…、ノックをしないで開けた私が悪いし仕方ないけれど少しは驚くものじゃない?て、ことは、あまりそこまで私には関心をもってとか?

もしまたお風呂を使うときはさっきみたいになるのも嫌だし、逆の立ち場になったらそれこそ問題になりそうだし、何か良いアイディアないかなぁ?ドアに『使用中』の貼り紙とか?紙だといちいち付け替えるのが面倒だし、プレートとかの方がやりやすいかな?

後で荒木さんに相談してみようっと。
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