スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◆甘えた日
四つ葉を出たのは午後7時30分過ぎで、電車に揺られながら今日のことを振り返る。

初めての“現場”はこんなにも刺激が強く、学びも沢山あり、そして“口の悪い男性”があの素敵な写真を四つ葉に提供している“三輪亮二”さんという信じ難い事実に驚きもあったし、キツい言い方をされたっけ。

三輪さんから見れば初心者の私にはひよっこに見えるわけで…、あー、せっかく荒木さんがカフェエリアで熱い想いを私に伝えてくれたんだし、しっかりしろ!宝条真琴!編集の世界で頑張るんでしょ!と、両手で頬をペチッと叩いて気合い入れをする。

最寄り駅に着いてスーパーに立ち寄って、今日は苺ミルクの紙パックと食パンを買ってシェアハウスに帰ると、リビングに入ってキッチンで食パンを焼き始め、1人で夕食を取り、リビングの小さいソファに座って体の力を抜いて、ピンク色のクッションを抱きかかえて背もたれに体を沈めた。

これからお風呂の準備をしないといけないけど、疲れが先行してて、体力的なのかそれとも精神的なのか、色々な事が1日で起こりすぎていたのかも、かなりぼぅっとしてきて瞼が重くなって行くのを耐える。

視界もボヤけてきて、一旦5分くらい瞼を閉じて良いかな?とそっと瞼を閉じると、今日の撮影の現場で会った石井選手やキャプテン、水野先輩達とのやり取りが浮かび、そしてカフェエリアで私に『好き”になって欲しい、本を作るという編集の世界を』と真っ直ぐに伝え、『俺が全部受け止めるから、ずっと傍で見るから』と心が震えるほどの熱い想いを伝えてくれた荒木さんの顔が浮かび、そこで意識が飛んだ。
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