スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
Barに向けて歩いてると、鉄の扉から少し離れて煙草を吸う姫川がいて、中に黒の服装を着た奴がいるか聞いたらいるとのことで、俺は鉄の扉を開けて中に入った。
「何か飲む?」
「いらない」
シェイカーを振る三斗の言葉に短く答えて中を見渡すと、亮二が奥の席でノートパソコンを開いて、炭酸水と交互に一眼カメラをいじってたので、大股でずかずかと歩いて亮二の側に行く。
「え、ちょっと、兄ちゃ…」
背後から三斗が慌ててる声がしたが無視して亮二の対面の席にドカっと座ると、亮二は一眼カメラをいじる手を止めて俺の顔を見る。
「で、話は何だよ」
「分かってるだろ」
「はっ。表紙の件じゃねぇだろと思ったが、正解かよ」
亮二が鼻で笑う仕草にイラッとする。
「亮二が言う、この世界はそんなに甘くないことは分かる」
「あんなひよっこで雑誌の編集が務まるのかよ。いずれデカい事で心が折れるのが分かるし、現に俺の言葉を聞いてひよっこは何も言い返してこなかったぞ」
競技場内のスタンド席で亮二が宝条さんに言った言葉は、きっとこの先何度でも思い出すだろう、でもー…。
「本を作るという編集の世界を好きになって欲しいから、邪魔するな」
「それはお前が決めることじゃねぇし、ひよっこが選ぶことだ」
お互い手は出さず、2人の空間がピリッと張り詰める。
「ま、仕事はやるから安心しろ。俺はそこまで馬鹿じゃねぇ」
「知ってる」
「取り敢えず原稿を見せろ」
「これ」
張り詰めた空気から亮二はスイッチを切り替えて仕事の話をし始めたから、俺も切り替えてバックからA班B班の原稿を亮二に渡し、亮二はじっくりと黙読する。
「A班の内容は今月の表紙じゃないな。B班のバトミントンで進めるから、撮れたら連絡する」
「分かった。期待している」
俺は席を立って荷物を纏め始める。
「おい、仁」
俺は亮二の方に顔を向けると、亮二はニヤッとした。
「俺、ひよっこに惚れてるから邪魔すんなよ」
「……帰る」
席を離れて入り口に向かうと背後から亮二の笑う声がして、くそ…俺と同じ言葉で返しやがってと思いながら鉄の扉に向けて歩き出す。
「兄ちゃん、大丈夫?」
「平気」
「そう…」
三斗が心配そうに俺に声をかけたが、平気と答えて店を出ると姫川がまだ煙草を吸っていたので丁度いいと思い、近付いて白シャツの胸ポケットに入れてある亮二の名刺を取り出して、『今すぐ燃やして』と差し出した。
姫川は最初は何言ってんだの顔をしていたが、亮二の名刺の裏面を見てフッと笑い、吸っていた煙草を地面に落とし、名刺に火を点けて2人で壁に寄りかかりながら静かにゆっくりと燃える名刺を見る。
「“これ”は燃やしたが、最後はお前が“消せ”よ」
「言われなくても」
名刺が燃え尽きるのを見届け、寄りかかった壁から離れて駅に向かう為に歩き出す。
姫川に『お前が“消せ”よ』と言われたが、“消せ”と言うのは名刺のことじゃなくて亮二のことだというのは確かで、いずれ亮二とは仕事じゃなくて“恋敵”として対峙するだろうな。
先ずは宝条さんがいるシェアハウスに帰り、ほんの少し甘い時間を過ごそうと思い、電車に乗った。
「何か飲む?」
「いらない」
シェイカーを振る三斗の言葉に短く答えて中を見渡すと、亮二が奥の席でノートパソコンを開いて、炭酸水と交互に一眼カメラをいじってたので、大股でずかずかと歩いて亮二の側に行く。
「え、ちょっと、兄ちゃ…」
背後から三斗が慌ててる声がしたが無視して亮二の対面の席にドカっと座ると、亮二は一眼カメラをいじる手を止めて俺の顔を見る。
「で、話は何だよ」
「分かってるだろ」
「はっ。表紙の件じゃねぇだろと思ったが、正解かよ」
亮二が鼻で笑う仕草にイラッとする。
「亮二が言う、この世界はそんなに甘くないことは分かる」
「あんなひよっこで雑誌の編集が務まるのかよ。いずれデカい事で心が折れるのが分かるし、現に俺の言葉を聞いてひよっこは何も言い返してこなかったぞ」
競技場内のスタンド席で亮二が宝条さんに言った言葉は、きっとこの先何度でも思い出すだろう、でもー…。
「本を作るという編集の世界を好きになって欲しいから、邪魔するな」
「それはお前が決めることじゃねぇし、ひよっこが選ぶことだ」
お互い手は出さず、2人の空間がピリッと張り詰める。
「ま、仕事はやるから安心しろ。俺はそこまで馬鹿じゃねぇ」
「知ってる」
「取り敢えず原稿を見せろ」
「これ」
張り詰めた空気から亮二はスイッチを切り替えて仕事の話をし始めたから、俺も切り替えてバックからA班B班の原稿を亮二に渡し、亮二はじっくりと黙読する。
「A班の内容は今月の表紙じゃないな。B班のバトミントンで進めるから、撮れたら連絡する」
「分かった。期待している」
俺は席を立って荷物を纏め始める。
「おい、仁」
俺は亮二の方に顔を向けると、亮二はニヤッとした。
「俺、ひよっこに惚れてるから邪魔すんなよ」
「……帰る」
席を離れて入り口に向かうと背後から亮二の笑う声がして、くそ…俺と同じ言葉で返しやがってと思いながら鉄の扉に向けて歩き出す。
「兄ちゃん、大丈夫?」
「平気」
「そう…」
三斗が心配そうに俺に声をかけたが、平気と答えて店を出ると姫川がまだ煙草を吸っていたので丁度いいと思い、近付いて白シャツの胸ポケットに入れてある亮二の名刺を取り出して、『今すぐ燃やして』と差し出した。
姫川は最初は何言ってんだの顔をしていたが、亮二の名刺の裏面を見てフッと笑い、吸っていた煙草を地面に落とし、名刺に火を点けて2人で壁に寄りかかりながら静かにゆっくりと燃える名刺を見る。
「“これ”は燃やしたが、最後はお前が“消せ”よ」
「言われなくても」
名刺が燃え尽きるのを見届け、寄りかかった壁から離れて駅に向かう為に歩き出す。
姫川に『お前が“消せ”よ』と言われたが、“消せ”と言うのは名刺のことじゃなくて亮二のことだというのは確かで、いずれ亮二とは仕事じゃなくて“恋敵”として対峙するだろうな。
先ずは宝条さんがいるシェアハウスに帰り、ほんの少し甘い時間を過ごそうと思い、電車に乗った。