スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
「俺達が勝てたのは、宝条さんのおかげ」
荒木さんがそう言うとマグカップをローテーブルに置いて、大きな左手を私の頭にポンと置くのではなくて、優しく頭を撫でる。
時々私の髪の毛を指で絡めたり、くるくると巻いたりするから、どんどん心臓の鼓動が早くなって、どう反応をしたらいいか分からず、クッションを抱きかかえる強さが増した。
「あのさ…」
「は、はい」
「ギュッとしていい?」
「………」
今までなら“充電”の言葉を使うのに、そうじゃなくて、その一歩先を進んだような伝え方にまた心臓がドクンとして、私は無言で静かに頷くと、荒木さんはピンク色のクッションを右手で退かして私をそっと抱きしめ、顔を私の左側の首付近に埋める。
「ここ3日間の夜さ」
「はい」
「2階の編集部で、姫川達と部数会議の資料を作ってた」
荒木さんが喋る度に私の首元に息がかかり、その場所が段々と熱を帯びてくる。
「資料を読んだ高坂専務も褒めてましたよね」
「うん。水瀬が経理課のおっさんを黙らせる位のって言ってなきゃ、俺達で資料を作ろうってならなかった」
「水瀬編集長に感謝ですね」
「ああ。姫川も遠い場所の街歩きで忙しいのに、四つ葉に戻ってくる度に誰からプレゼンするかを資料を見ながら一緒に何度も考えてくれた」
ぽつぽつと荒木さんが部数会議での裏側の話をしてくれる。
「素敵な2人ですね」
「そう思う。それにずっと頭を使っていたから、凄く疲れた」
「お疲れ様です」
そっと腕を荒木さんの大きな背中まで伸ばして何とかしてギュッと抱きしめると荒木さんの体がビクッとし、更に荒木さんは私の首元に顔を埋める。
どうしよう、普段淡々としていて、いつも私を気にかけて励ましてくれるのに、こうして甘えられたのが初めてで、私の首元にかかる荒木さんの熱い息が私を火照らせてきて、心臓のドキドキが持ちそうにないし、私の心に荒木さんの存在が一気に増していく。
2人きりのリビングの室温はエアコンをつけてないのに、熱く甘く感じるのはこの火照りがあるからだ。
すると荒木さんのバックからスマホの着信音が鳴り、ずっとバックが震えているから大事な電話かも知れないけど、この火照りを離したくない自分がいて…、でもとぐるぐる考えが回る。
「電話、出ないんですか?」
「出ない」
「でもまだ鳴ってますよ?」
本当は出て欲しくなくて、それを悟られないようにグッと自分の気持ちに蓋をかける。
「まだ甘えたいから出ない」
あぁ、狡い…、こんな言い方は本当に狡いし、まだ着信音と震えが続いてる。
「宝条さんは俺が電話に出ていいの?」
ほら、また狡い言い方を…、さっきから狡いの言葉しか浮かばない。
「出て…欲しくないで…す」
「出ないから大丈夫」
荒木さんの腕の力が増して、更にお互いの体が密着して、私も荒木さんの白シャツに顔を埋めると、スマホの着信音が止まった。
「電話…終わっちゃいましたね」
「後で掛け直せばいい」
「そうですね。あの、荒木さん」
「ん?」
「今日は本当にお疲れ様でした」
「ああ、疲れた。だからさ…」
「はい」
「今は甘えたい」
「はい…」
私もギュッと白シャツを離さないように握って、荒木さんからの甘えを沢山感じたのだった。
荒木さんがそう言うとマグカップをローテーブルに置いて、大きな左手を私の頭にポンと置くのではなくて、優しく頭を撫でる。
時々私の髪の毛を指で絡めたり、くるくると巻いたりするから、どんどん心臓の鼓動が早くなって、どう反応をしたらいいか分からず、クッションを抱きかかえる強さが増した。
「あのさ…」
「は、はい」
「ギュッとしていい?」
「………」
今までなら“充電”の言葉を使うのに、そうじゃなくて、その一歩先を進んだような伝え方にまた心臓がドクンとして、私は無言で静かに頷くと、荒木さんはピンク色のクッションを右手で退かして私をそっと抱きしめ、顔を私の左側の首付近に埋める。
「ここ3日間の夜さ」
「はい」
「2階の編集部で、姫川達と部数会議の資料を作ってた」
荒木さんが喋る度に私の首元に息がかかり、その場所が段々と熱を帯びてくる。
「資料を読んだ高坂専務も褒めてましたよね」
「うん。水瀬が経理課のおっさんを黙らせる位のって言ってなきゃ、俺達で資料を作ろうってならなかった」
「水瀬編集長に感謝ですね」
「ああ。姫川も遠い場所の街歩きで忙しいのに、四つ葉に戻ってくる度に誰からプレゼンするかを資料を見ながら一緒に何度も考えてくれた」
ぽつぽつと荒木さんが部数会議での裏側の話をしてくれる。
「素敵な2人ですね」
「そう思う。それにずっと頭を使っていたから、凄く疲れた」
「お疲れ様です」
そっと腕を荒木さんの大きな背中まで伸ばして何とかしてギュッと抱きしめると荒木さんの体がビクッとし、更に荒木さんは私の首元に顔を埋める。
どうしよう、普段淡々としていて、いつも私を気にかけて励ましてくれるのに、こうして甘えられたのが初めてで、私の首元にかかる荒木さんの熱い息が私を火照らせてきて、心臓のドキドキが持ちそうにないし、私の心に荒木さんの存在が一気に増していく。
2人きりのリビングの室温はエアコンをつけてないのに、熱く甘く感じるのはこの火照りがあるからだ。
すると荒木さんのバックからスマホの着信音が鳴り、ずっとバックが震えているから大事な電話かも知れないけど、この火照りを離したくない自分がいて…、でもとぐるぐる考えが回る。
「電話、出ないんですか?」
「出ない」
「でもまだ鳴ってますよ?」
本当は出て欲しくなくて、それを悟られないようにグッと自分の気持ちに蓋をかける。
「まだ甘えたいから出ない」
あぁ、狡い…、こんな言い方は本当に狡いし、まだ着信音と震えが続いてる。
「宝条さんは俺が電話に出ていいの?」
ほら、また狡い言い方を…、さっきから狡いの言葉しか浮かばない。
「出て…欲しくないで…す」
「出ないから大丈夫」
荒木さんの腕の力が増して、更にお互いの体が密着して、私も荒木さんの白シャツに顔を埋めると、スマホの着信音が止まった。
「電話…終わっちゃいましたね」
「後で掛け直せばいい」
「そうですね。あの、荒木さん」
「ん?」
「今日は本当にお疲れ様でした」
「ああ、疲れた。だからさ…」
「はい」
「今は甘えたい」
「はい…」
私もギュッと白シャツを離さないように握って、荒木さんからの甘えを沢山感じたのだった。