スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
会議室に入り自分の席に座ってバックを置いて、ノートパソコンの電源を入れて、清書の仕事に取り組む。

今日も荒木さん不在の会議室で、もうこの状態に慣れてかなきゃ。

私が今回清書をするのはB班で、ラクビーとバトミントンと佐藤さんのバレーボールの記事で、特にバトミントンは6月号の1つ目に掲載されるから、尚更入力間違いをしないようにしなきゃ。

先にラクビーから取り掛かり、原稿を黙読しながらキーボードを打つ。

先輩達の言葉の表現の仕方はとても参考になるし、また在庫室に行って過去の“Scoperta”の雑誌を読み返して、表現の幅を広げたいな。

「よし、次はバトミントンだ」

6月号の1つ目だし、原稿の枚数が圧倒的に多いけど、これを書き上げた先輩って凄いや。

1枚1枚丁寧にキーボードを打って、間違いがないように何度も原稿とノートパソコンの液晶画面を見ながら集中する。

「そろそろお昼だ」

中畑さんの声にパッと顔を上げて会議室の時計を見るとお昼の時間になっていて、あっという間に時間が進んでたのか。

さてお弁当を食べようってバックの中に手を入れたら、無い!え?!確か朝から作っていて、あ、一旦冷やそうと冷蔵庫に入れたままだ!うわぁ、やっちゃった…と、がっくりする。

「あれ?宝条さんはお弁当じゃないの?」
「えっと、家に忘れたのでコンビニに行ってきます」
「そっか、気を付けていってらっしゃい」
「はい…」

山田先輩に見送られ、階段をゆっくり降りて2階に差し掛かったら、タウン情報部の九条さんと総務課の星野さんにバッタリ会った。

「お疲れ様です。宝条さんもお昼に行くんですか?」
「お弁当を作ったのに持って来るの忘れちゃって…、コンビニに行ってこようかなって」

星野さんの質問に私は苦笑しながら答える。

「私達、これから美味しい定食屋さんにご飯を食べに行くんですが、一緒にどうですか?」
「コンビニより美味しい定食屋さんですよ」

九条さんと星野さんの申し出に、確かに自分で作ったり、コンビニやスーパーの食事だったので、他の人の手作り料理って三斗さん以来かも。

「お言葉に甘えて、ご一緒させて下さい」
「勿論!宝条さんと話してみたかったので」
「私もです」

喜ぶ九条さんとそれに同意する星野さんの笑顔が素敵で、3人で微笑みあって定食屋さんに向けて四つ葉のビルを出ていった。
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