スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
翌日、早朝からシェアハウスを出て、各スポーツの日本代表選手が全時間帯で練習を行えるように環境を整えた施設が都心にあり、水泳関係のスポーツもそうで、競技用のプールがいくつもあり、俺は去年の季刊から取材をさせてもらっているシンクロナイズドスイミングのチームの練習を、見学席から見せてもらう。

ノートを広げ、気になる演技の動きや使用している音楽等をメモに取り、撮影は6月下旬に亮二と一緒にするから今日は演技に集中してメモに残し、ノートのページもいい具合に埋まった。

スマホが揺れたので画面をタップしたら姫川からメッセージを受け取ったので開くと、『高坂がまた【もりや】で待ってるだとよ』とあり、余程気に入ったんだと思ったし、来いじゃなくて待ってるだもんな。

『分かった。後30分は見学をしたいから、直接【もりや】に行く』と返信して、再度演技を見る。

横から見ても足技が綺麗に揃ってるし、去年の撮影の時より音楽の傾向が変わってるし、リフトからのジャンプも高さを意識するように何度も練習を繰り返していて、終盤は浮かびながら手技や足技を巧みに組み合わせて音楽と合わせていて、この終盤は上から撮影したら絶対に読者に印象が残る筈で、もう一度亮二に飛び込み台からの撮影を相談するか。

水中に関しては秋山が去年の季刊の時に防水性のパーツを使って撮影をしていたから、秋山のスケジュールを確認して同行してもらうよう打診し、水野は確か田所とサマーリーグの取材を組ませているし、A班の野球側も球宴の特集で忙しいから、空いてるメンバーを考えると宝条さんしか俺のサポートで入れないか…、でもな、まだ早すぎて取材の現場に出すのはもっと先だよな。

鷲尾さんの取材も2回あって、ノートに撮影と取材したいことを箇条書きにしてメモに残し、ギリギリ迄見学をさせてもらい監督に挨拶をして施設を出て移動して、【もりや】に行くと既に3人は揃っていて、俺は水瀬の隣に座る。

暫く雑談しながらメニューを考えていたら、背後からお店の扉が開き、俺の対面に座る高坂さんがぱぁっと笑顔になり手を振った。

どうやら九条さんと星野さんがお店に入ってきたようで、この2人は仲がいいんだと思っていたら、宝条さん迄いると高坂さんが言ったので、心臓がドクンと高鳴り、これは亮二の時とは違う感じなのが分かり、俺は宝条さんの方へは一切振り向かずに過ごす。

幸いカウンター席から俺のいる席は離れてるし、今は4人の昼メシに集中し、食べ終わったので誰が会計するかの話になったが、俺が1番最後に来たから俺が払うことを自分から申し出て席を立った。

3日ぶりに見る宝条さんは美味しそうに魚定食を食べているけど、俺がシェアハウスに居ない間は1人で食べてんだよな。

「………」

俺はレジでお会計をしようとしたら九条さん達の伝票が見えたので、店員さんに『これも一緒に』と小声で伝え、『3人共、いつも仕事を頑張っているから』とも添えて代金を払う。

実際九条さんも星野さんも頑張っているし、そして宝条さんも遅くまで頑張っていることはスポーツ部のメンバーからも聞いているし、せめてこれくらいはしたいと思った。

「お会計が終わったから、帰る」

そう言って姫川と水瀬と3人で【もりや】を出た。
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