スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
「この場面は俺がリードしたいんだけどなぁ」
「ほんとその言い方、変わんないね」
「一美も可愛いさは変わってないし、今から離れた分を補う為に沢山キスするから、覚悟は出来てる?」
「………ほんと馬kー…」

一美の言葉を飲み込む様に唇を重ね、俺は右手で一美の後頭部に手を添え、残った左手は一美の背中に回して距離を詰める。

「み…、みの…」
「離れ…、ごめ…ん」
「ん…、うん…」

キスの合間合間に伝えたい事がいっぱいあるのに、それが勿体なくて貪欲に一美の唇を求め、離れた分を補うだけじゃ足りない。

何度も何度もキスを繰り返し、名残り惜しそうに唇が離れると熱い吐息を同時に吐いて、俺は一美の前髪を掻き上げておでこに音を出してキスをして、また一美の髪を指で絡める。

「今日はここまで」
「もぅ…」

一美が小さく俺の胸を叩くけど、全然痛くない。

「最近仁が付き合いが悪くてさ、今日も飲みに誘い出したけど『先約があるから無理』って振られた」
「仁だって仁の過ごしたい時間があるんだから、諦めなさいよ」
「そうだけどさぁ」

絡めた指を離し拗ね気味にすると、一美は苦笑する。

「俺、一人っ子だしさ、兄弟とか姉妹って凄く羨ましいんだ。だから編集長三人組は自分の弟だと思って、絡みたいんだよね。勿論、三斗も」
「三斗はずっと末っ子が続くわね」
「だな。仁は編集長三人組だと、どうだろう」
「1番上は想像が出来ないわ」
「俺も」

2人で仁のことを浮かべ、今頃本人はくしゃみをしているだろうな。

「俺もメッセージグループを作ろうかな?」
「好きにしたら?仁は強制的というか、三人組には拒否権がないんでしょ?」
「バレた?」
「付き合いが長いから、分かるわよ」
「水瀬と同じ台詞だ」
「そうなの?グループ名だって決めてるんでしょ?」
「まぁね。星野さん達が“四つ葉の三姉妹”なら、俺達は“四つ葉の四兄弟”が良いな。勿論俺が1番上は譲んないけど」
「ほんと、そういう事を楽しそうに思いつくのが稔らしいわ」
「だろ?姫川なんてさ、いつも俺のー…」

一美ははいはいと微笑みながら俺の話を隣で聞いてくれて、この日は“凄く大切な人”が隣にいることにただ幸せを感じた。
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