スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◆想いを伝えられた日
荒木さんから取材の見学兼サポートをする事を言われた日から2日が過ぎ、この日は午前中から午後2時迄は製作班の時間で清書をし、午後2時からは中畑さんから広告の入れ方を教わることになっている。
その後は自分の宿題と荒木さんのサポートをするために知識を入れたくて、自主学習の時間を取ることにした。
荒木さんも午前中から会議室にいて、机の上にスマホと紙束を置き、ノートパソコンで打ち込みをしており、A班の野球側は取材で不在でサッカー側はいて、B班と製作班は会議室という形でそれぞれの仕事に取り組む。
私もノートパソコンを立ち上げて、今日はバトミントンの続きをしようと清書の原稿を手に取って黙読をしながらキーボードを打ち始めた。
「お?三輪さんから写真が届いた」
山田先輩がノートパソコンのキーボードを操作していて、また心臓がドクンー…とした。
以前シェアハウスのリビングで夢をみた時に徐々に灰色から漆黒の液体が広がるあの怖い夢の様に心が侵食され、ただ三輪さんの名前を聞いただけなのに…、眉間のシワを寄せながら下唇をキュッと噛んで指を何とかして動かす。
「………」
「荒木編集長?スマホが揺れてますよ」
「ん?ああ、電話をするから席を外す」
山田先輩からスマホが揺れている事を教えてもらった荒木さんはそれを手にして会議室を出て行き、山田先輩がノートパソコンの液晶画面が見ながら目をキラキラさせていた。
「凄い…、こんなアングルの写真達を見たことがない」
山田先輩が私達に向けて液晶画面を見せてくれたので、皆で近くに来ると、その画像に全員が言葉を出さずに感嘆する。
三輪さんから送られた写真はバトミントンで、構図は正面から捉えていて、バトミントンの男子選手がラケットを振り、そのラケットで羽根を打つ瞬間なんだけど、ブレもなく、選手がラケットを振った腕の筋肉の形や顔の真剣な眼差しと頬に流れる汗、ユニフォームなんて文字がブレてなくはっきりと読めるし、横から撮影した写真は頭上に上がった羽根を打ち返す為に間合いを取っていたり、次は低姿勢で羽根を拾い上げているアングルだ。
「凄い…」
私がボソッと言うと、中畑さんも先輩達も黙って頷く。
『カメラや編集の世界は甘くねぇぞ』
口が悪いのにカメラの技術がこんなにも上手だと何も言えないし、三輪さんのカメラの世界というのはきっと初心者の私なんかより大きいに違いない。
「これだけあると、表紙を決めるだけでも時間がかかるね」
中畑さんが言うと会議室のドアが開いて荒木さんが入ってきて、上座の席に座る。
「三輪さんから表紙の候補が幾つか届いて、見てみますか?」
「見る」
山田さんから言われた荒木さんは席を立って私の隣にきて、体勢を山田先輩のノートパソコンに向けて前にかがんで液晶画面に顔を向け、右手でキーボードの矢印ボタンを押して次々と写真を見る。
「1枚目と3枚目と…、後は7枚目を表紙サイズに印刷して欲しい」
「分かりました」
山田先輩は自分の方にノートパソコンを向けるとキーボードを打ち、プリンターから3枚の用紙が出てきて、荒木さんはプリンターからその3枚を手に取って、スマホの画面を指でタップして耳にあてる。
「写真を見た。夕方に四つ葉に来てー…そう、中畑と山田と佐藤を同席させるから。1階に来たらもう一度連絡して。じゃあ、後で」
荒木さんはスマホの通話を終えると、顔を私達に向ける。
「夕方に亮二がここに来る。表紙のデザインと、6月号の1つ目の記事に使う写真を亮二の目で決めて貰うから、名前が上がった3人は申し訳ないけど夜の時間はこのやり取りに付き合って貰う」
「良いですよ。三輪さんの写真、もっと触れたいので」
「俺も中畑さんと同意見です」
「俺もこの1つ目の記事は部下が一生懸命に書いたので、その分を三輪さんにきちんと伝えて写真を選んでもらいたいです」
3人共三輪さんに対して好意的だし、私もこの写真の凄さを目の当たりにしたけど、どうしても初対面の印象とあの言動が原因で三輪さんに対して矛盾な気持ちになる。
「他の皆は残るのは良いけど、8時迄にお願い。以上」
「はい」
皆で返事をし、それぞれ自分の席に戻り、私も清書を再開するけど、三輪さんがここに来るんだ。
ちょっと怖いな…。
その後は自分の宿題と荒木さんのサポートをするために知識を入れたくて、自主学習の時間を取ることにした。
荒木さんも午前中から会議室にいて、机の上にスマホと紙束を置き、ノートパソコンで打ち込みをしており、A班の野球側は取材で不在でサッカー側はいて、B班と製作班は会議室という形でそれぞれの仕事に取り組む。
私もノートパソコンを立ち上げて、今日はバトミントンの続きをしようと清書の原稿を手に取って黙読をしながらキーボードを打ち始めた。
「お?三輪さんから写真が届いた」
山田先輩がノートパソコンのキーボードを操作していて、また心臓がドクンー…とした。
以前シェアハウスのリビングで夢をみた時に徐々に灰色から漆黒の液体が広がるあの怖い夢の様に心が侵食され、ただ三輪さんの名前を聞いただけなのに…、眉間のシワを寄せながら下唇をキュッと噛んで指を何とかして動かす。
「………」
「荒木編集長?スマホが揺れてますよ」
「ん?ああ、電話をするから席を外す」
山田先輩からスマホが揺れている事を教えてもらった荒木さんはそれを手にして会議室を出て行き、山田先輩がノートパソコンの液晶画面が見ながら目をキラキラさせていた。
「凄い…、こんなアングルの写真達を見たことがない」
山田先輩が私達に向けて液晶画面を見せてくれたので、皆で近くに来ると、その画像に全員が言葉を出さずに感嘆する。
三輪さんから送られた写真はバトミントンで、構図は正面から捉えていて、バトミントンの男子選手がラケットを振り、そのラケットで羽根を打つ瞬間なんだけど、ブレもなく、選手がラケットを振った腕の筋肉の形や顔の真剣な眼差しと頬に流れる汗、ユニフォームなんて文字がブレてなくはっきりと読めるし、横から撮影した写真は頭上に上がった羽根を打ち返す為に間合いを取っていたり、次は低姿勢で羽根を拾い上げているアングルだ。
「凄い…」
私がボソッと言うと、中畑さんも先輩達も黙って頷く。
『カメラや編集の世界は甘くねぇぞ』
口が悪いのにカメラの技術がこんなにも上手だと何も言えないし、三輪さんのカメラの世界というのはきっと初心者の私なんかより大きいに違いない。
「これだけあると、表紙を決めるだけでも時間がかかるね」
中畑さんが言うと会議室のドアが開いて荒木さんが入ってきて、上座の席に座る。
「三輪さんから表紙の候補が幾つか届いて、見てみますか?」
「見る」
山田さんから言われた荒木さんは席を立って私の隣にきて、体勢を山田先輩のノートパソコンに向けて前にかがんで液晶画面に顔を向け、右手でキーボードの矢印ボタンを押して次々と写真を見る。
「1枚目と3枚目と…、後は7枚目を表紙サイズに印刷して欲しい」
「分かりました」
山田先輩は自分の方にノートパソコンを向けるとキーボードを打ち、プリンターから3枚の用紙が出てきて、荒木さんはプリンターからその3枚を手に取って、スマホの画面を指でタップして耳にあてる。
「写真を見た。夕方に四つ葉に来てー…そう、中畑と山田と佐藤を同席させるから。1階に来たらもう一度連絡して。じゃあ、後で」
荒木さんはスマホの通話を終えると、顔を私達に向ける。
「夕方に亮二がここに来る。表紙のデザインと、6月号の1つ目の記事に使う写真を亮二の目で決めて貰うから、名前が上がった3人は申し訳ないけど夜の時間はこのやり取りに付き合って貰う」
「良いですよ。三輪さんの写真、もっと触れたいので」
「俺も中畑さんと同意見です」
「俺もこの1つ目の記事は部下が一生懸命に書いたので、その分を三輪さんにきちんと伝えて写真を選んでもらいたいです」
3人共三輪さんに対して好意的だし、私もこの写真の凄さを目の当たりにしたけど、どうしても初対面の印象とあの言動が原因で三輪さんに対して矛盾な気持ちになる。
「他の皆は残るのは良いけど、8時迄にお願い。以上」
「はい」
皆で返事をし、それぞれ自分の席に戻り、私も清書を再開するけど、三輪さんがここに来るんだ。
ちょっと怖いな…。