スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
「ごちそうさまでした」

2人でキッチンに行って食器を洗い、洗面台で隣同士で歯を磨き、私はうがいをしてその後は鏡を見ながら改めてリップを塗り直す。

「うん、いい感じ」
「………」

私の隣で荒木さんが歯を磨き、うがいをして歯ブラシをしまう。

リビングに移動して荒木さんが私に背を向けて黒のジャケットを着ようと手に取って、バサッと音を出してジャケットに右腕を通すんだけど、うわ…格好いいとまたじぃっと見ちゃっていたら、荒木さんが顔だけ私の方に振り返った。

「視線、また感じる」
「え?み、見てませんってば!!」

照れ隠しでムスッとしながら荷物を確かめると、背後で小さな笑い声が聞こえ、もぅ…。

「先に出る」
「はい、いってらっしゃい」

荒木さんはバックを手に取って私の前を通りすぎてリビングのドアノブに手を掛けようとしたら、ピタッと立ち止まる。

「どうしました?」
「忘れ物」
「え?なんでsー…」

荒木さんが振り返って側にきて大きな右手で私の顎をクイッと上に上げ、唇を重ねてた。

余りの突然なことに瞼を何度もパチパチと瞬きを繰り返してたら、唇がそっと離れる。

「行ってきますのキス、忘れてた。このリップの色、俺は好き」

荒木さんが右手の親指で私の唇をグッとなぞって、フッと笑う。

「じゃあ、現場で」
「………はい」

荒木さんが改めてリビングを出て玄関のドアが開いて閉じた音が聞こえた瞬間、私はへなへなと座り、体温計の目盛りが一気に赤く上昇するように顔が一気に火照り始めた。

1人しかいないシェアハウスの空気は甘さが漂っていて、これから四つ葉に行かなくちゃいけないのに、遅刻しちゃ駄目だから、必死に両手で顔を仰いで気持ちを落ち着かせる。

もう一度洗面台に行って表情を確認して、荒木さんの言葉を思い浮かべた。

『リップの色、俺は好き』
「………」

もう一度リップを塗るけど、3回も塗り直して四つ葉に向けてシェアハウスを出た行った。
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