スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
シェアハウスの玄関を出て、ドアがバタンと閉まった瞬間、俺はその場でしゃがむ。
「何やってんだ、俺は」
洗面台で宝条さんが鏡を見ながら唇にリップを塗っていたら無性にキスをしたくなったけど、俺は歯磨き中だったから機会を伺って、リビングを出る前に『忘れ物』と言って宝条さんに口づけをした。
普段読む小説にもこうしたシチュエーションが出てくるけど、現実世界でも起こるものなんだなと思い、俺は立ち上がって火照った顔を左手で仰いで最寄り駅まで歩き、鷲尾さんがいる野球場の最寄り駅まで電車で移動する。
野球場の施設裏にある受付に行き、首に通行パスを掲げ、手続きを済ませ鷲尾さんと会う時間まで施設内を見学したり、空席になっているスタンド席に座り、自販機で買った烏龍のペットボトルをカップスタンドに置いて選手達の練習風景を眺めていると隣に亮二がドカっと座った。
「はよ」
「ああ。ひよっこはまだかよ」
「今は四つ葉にいる」
「ふ〜ん……、おい、仁」
亮二が俺の顔をじぃっと見る。
「じぃっと見てきて、気持ち悪い」
「洗面台、行ってこい」
「は?」
「良いから行って鏡を見てこいよ」
「分かった」
亮二がニヤッと笑いながら洗面台に行けって言うので、俺は頭に?マークを浮かべながら席をたって、球場内にあるトイレに向かい、自分の顔を鏡で見ると亮二が笑った理由を理解した。
「着いてるし…」
俺はほんの少しテカっている唇に苦笑しつつ、ジャケットの内側に入れてあるハンカチを取り出してそっと唇を優しく拭うけど、落とすのが勿体ないな。
亮二の奴、絶対テカっている理由が分かっていてムカつきながら俺は席に戻ると、隣に座る亮二が盛大な溜め息を吐いた。
「朝から女といちゃついてんなよ」
「亮二には1ミリも関係ない」
「俺は朝からキスなんてしねぇよ」
「そうなんだ」
そういうのは以外だなと思う。
「俺だったら相手が遅刻するまで思いっきり抱くけどな」
亮二が自信たっぷりにそう言い、ペットボトルの珈琲をぐびぐびと飲むけど、以外だなと思った自分が馬鹿だなと思いつつ、俺は亮二の方に顔は向けず真っ直ぐ選手の方へ顔を向ける。
「…………俺は遅刻じゃなくて休ませる位に抱いてみせるけど」
「ー…グッ、ゴホッ、ゴホ」
俺は間を開けてそう言うと、前を向いたままペットボトルの烏龍の蓋を開けて静かに中身を飲み、俺の言葉に亮二はむせて咳き込む。
「こぼしてて汚い」
「ゲホッ…、はぁ…、お前がそう言うからだろ?」
「亮二から言い始めたんだろ」
「お前なぁ」
「お待たせしました」
2人でバッと振り返ると、宝条さんが通行パスを首にぶら下げて大きな茶封筒の袋をギュッと抱えて通路に立っているけど、俺達の会話は聞いてないよな?
「遅いぞ。とろとろしてんなよ」
「初めて来ましたし、荒木編集長をずっと探し回っていたんです!」
宝条さんはムスッとしながら亮二とぎゃあぎゃあ言い合ってて、さっきの俺達の会話を聞いてなかったのでホッとするが、2人のやり取りに何だかムカつくな。
「もうすぐ鷲尾さんと会うし、空気を悪くしないで」
「すいません」
「……くく」
宝条さんは謝るも亮二は俺の言い方に笑うし、くそ…。
「ほら行くよ」
「待って下さい」
俺の態度を亮二に見透かされたのがムカついて先に席を立って歩き出し、宝条さんも駆け寄って俺の隣に並び、3人で鷲尾さんの元へ移動した。
シェアハウスの玄関を出て、ドアがバタンと閉まった瞬間、俺はその場でしゃがむ。
「何やってんだ、俺は」
洗面台で宝条さんが鏡を見ながら唇にリップを塗っていたら無性にキスをしたくなったけど、俺は歯磨き中だったから機会を伺って、リビングを出る前に『忘れ物』と言って宝条さんに口づけをした。
普段読む小説にもこうしたシチュエーションが出てくるけど、現実世界でも起こるものなんだなと思い、俺は立ち上がって火照った顔を左手で仰いで最寄り駅まで歩き、鷲尾さんがいる野球場の最寄り駅まで電車で移動する。
野球場の施設裏にある受付に行き、首に通行パスを掲げ、手続きを済ませ鷲尾さんと会う時間まで施設内を見学したり、空席になっているスタンド席に座り、自販機で買った烏龍のペットボトルをカップスタンドに置いて選手達の練習風景を眺めていると隣に亮二がドカっと座った。
「はよ」
「ああ。ひよっこはまだかよ」
「今は四つ葉にいる」
「ふ〜ん……、おい、仁」
亮二が俺の顔をじぃっと見る。
「じぃっと見てきて、気持ち悪い」
「洗面台、行ってこい」
「は?」
「良いから行って鏡を見てこいよ」
「分かった」
亮二がニヤッと笑いながら洗面台に行けって言うので、俺は頭に?マークを浮かべながら席をたって、球場内にあるトイレに向かい、自分の顔を鏡で見ると亮二が笑った理由を理解した。
「着いてるし…」
俺はほんの少しテカっている唇に苦笑しつつ、ジャケットの内側に入れてあるハンカチを取り出してそっと唇を優しく拭うけど、落とすのが勿体ないな。
亮二の奴、絶対テカっている理由が分かっていてムカつきながら俺は席に戻ると、隣に座る亮二が盛大な溜め息を吐いた。
「朝から女といちゃついてんなよ」
「亮二には1ミリも関係ない」
「俺は朝からキスなんてしねぇよ」
「そうなんだ」
そういうのは以外だなと思う。
「俺だったら相手が遅刻するまで思いっきり抱くけどな」
亮二が自信たっぷりにそう言い、ペットボトルの珈琲をぐびぐびと飲むけど、以外だなと思った自分が馬鹿だなと思いつつ、俺は亮二の方に顔は向けず真っ直ぐ選手の方へ顔を向ける。
「…………俺は遅刻じゃなくて休ませる位に抱いてみせるけど」
「ー…グッ、ゴホッ、ゴホ」
俺は間を開けてそう言うと、前を向いたままペットボトルの烏龍の蓋を開けて静かに中身を飲み、俺の言葉に亮二はむせて咳き込む。
「こぼしてて汚い」
「ゲホッ…、はぁ…、お前がそう言うからだろ?」
「亮二から言い始めたんだろ」
「お前なぁ」
「お待たせしました」
2人でバッと振り返ると、宝条さんが通行パスを首にぶら下げて大きな茶封筒の袋をギュッと抱えて通路に立っているけど、俺達の会話は聞いてないよな?
「遅いぞ。とろとろしてんなよ」
「初めて来ましたし、荒木編集長をずっと探し回っていたんです!」
宝条さんはムスッとしながら亮二とぎゃあぎゃあ言い合ってて、さっきの俺達の会話を聞いてなかったのでホッとするが、2人のやり取りに何だかムカつくな。
「もうすぐ鷲尾さんと会うし、空気を悪くしないで」
「すいません」
「……くく」
宝条さんは謝るも亮二は俺の言い方に笑うし、くそ…。
「ほら行くよ」
「待って下さい」
俺の態度を亮二に見透かされたのがムカついて先に席を立って歩き出し、宝条さんも駆け寄って俺の隣に並び、3人で鷲尾さんの元へ移動した。