スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
どど、ど、どうして荒木さんが四つ葉出版社に?!
私はぽかんと口を開いたまま荒木さんを見ていると、当の本人はすたすたとスポーツ部の名札がある席に静かに座る。
「時間ギリギリだなんて珍しいね」
「まだ1分ある」
「変わんねぇよ」
3人がそれぞれ話している姿を見つつ、え?荒木さんって四つ葉出版社の人ってこと?いや、面接にいた田所副編集長のように編集長代理ってことでいるだけでしょ?うん、きっとそうだし、あ、でも荒木一美さんが『勤め先を聞いた時に真っ先に弟がー…』って言ってたよね?
「それでわ今年度の入社式を始めます。先ずはー…」
司会者から入社式の開始が告知され、高坂社長、高坂専務の話が始まるけど右から左で流れるのは仕方ないし、どうしても意識が荒木さんの方に向いてしまう。
「では、新入社員とそれぞれの配属先の社員は起立をお願いします」
司会の言葉に私と橘さん、高坂専務と荒木さんが立ち上がる。
「橘さんは高坂専務の元で、宝条さんはスポーツ部編集長の荒木の元でこれから勤務となります。新入社員の2人はこれから四つ葉出版社の一員となりますので、是非四つ葉を盛上げて頑張ってください!入社式は以上となります」
「あはは…」
大きな拍手が鳴り響く中、“スポーツ部編集長”という言葉に荒木さんの正体が分かり、顔が引きつるのは嘘じゃなく、どうして荒木さんはシェアハウスに引っ越しをしたときに自分が私の“上司”だと話してくれなかったんだろうか。
続々と人が会議室から退出していき、ただ広い会議室には私と荒木さんだけとなる。
「荒木さんが四つ葉出版社の人だと知らなかったです。どうして教えてくれなかったんですか?」
「入社式で配属先の説明はするから省いただけ」
淡々と答える荒木さんはシェアハウスに居る時と変わらないけど、同居人が男性で上司ってー…
「これから総務課に行って、必要な書類とICカードを貰いに行くからついてきて」
「待ってください」
荒木さんがドアの方に向かったので慌ててバックを掴み、駆け寄ると、荒木さんがピタッと止まって振り向いた。
「一緒に住んでいるの、内緒」
「んっ」
“内緒”と同時に右手の人差し指を私の唇に当て、荒木さんはフッと笑うんだけど、こんな仕草をされるなんて思わなくて、かあっと顔が赤くなるのがわかるし、人差し指がそっと離れると荒木さんは先にドアを開けて出ていった。
まだ荒木さんの人差し指の感覚が唇に残っていて、そっと触れ、ドキドキが加速していて、さっきまでは荒木さんの正体に動揺していたのに、このドキドキする感じはよく読む恋愛小説に出てくる表現と同じ“ときめき”の方で、荒木さんの存在がどんどん大きくなっていく。
こうして荒木さんに“シェアハウスの同居人”と、“上司”というワードが追加された。
私はぽかんと口を開いたまま荒木さんを見ていると、当の本人はすたすたとスポーツ部の名札がある席に静かに座る。
「時間ギリギリだなんて珍しいね」
「まだ1分ある」
「変わんねぇよ」
3人がそれぞれ話している姿を見つつ、え?荒木さんって四つ葉出版社の人ってこと?いや、面接にいた田所副編集長のように編集長代理ってことでいるだけでしょ?うん、きっとそうだし、あ、でも荒木一美さんが『勤め先を聞いた時に真っ先に弟がー…』って言ってたよね?
「それでわ今年度の入社式を始めます。先ずはー…」
司会者から入社式の開始が告知され、高坂社長、高坂専務の話が始まるけど右から左で流れるのは仕方ないし、どうしても意識が荒木さんの方に向いてしまう。
「では、新入社員とそれぞれの配属先の社員は起立をお願いします」
司会の言葉に私と橘さん、高坂専務と荒木さんが立ち上がる。
「橘さんは高坂専務の元で、宝条さんはスポーツ部編集長の荒木の元でこれから勤務となります。新入社員の2人はこれから四つ葉出版社の一員となりますので、是非四つ葉を盛上げて頑張ってください!入社式は以上となります」
「あはは…」
大きな拍手が鳴り響く中、“スポーツ部編集長”という言葉に荒木さんの正体が分かり、顔が引きつるのは嘘じゃなく、どうして荒木さんはシェアハウスに引っ越しをしたときに自分が私の“上司”だと話してくれなかったんだろうか。
続々と人が会議室から退出していき、ただ広い会議室には私と荒木さんだけとなる。
「荒木さんが四つ葉出版社の人だと知らなかったです。どうして教えてくれなかったんですか?」
「入社式で配属先の説明はするから省いただけ」
淡々と答える荒木さんはシェアハウスに居る時と変わらないけど、同居人が男性で上司ってー…
「これから総務課に行って、必要な書類とICカードを貰いに行くからついてきて」
「待ってください」
荒木さんがドアの方に向かったので慌ててバックを掴み、駆け寄ると、荒木さんがピタッと止まって振り向いた。
「一緒に住んでいるの、内緒」
「んっ」
“内緒”と同時に右手の人差し指を私の唇に当て、荒木さんはフッと笑うんだけど、こんな仕草をされるなんて思わなくて、かあっと顔が赤くなるのがわかるし、人差し指がそっと離れると荒木さんは先にドアを開けて出ていった。
まだ荒木さんの人差し指の感覚が唇に残っていて、そっと触れ、ドキドキが加速していて、さっきまでは荒木さんの正体に動揺していたのに、このドキドキする感じはよく読む恋愛小説に出てくる表現と同じ“ときめき”の方で、荒木さんの存在がどんどん大きくなっていく。
こうして荒木さんに“シェアハウスの同居人”と、“上司”というワードが追加された。