スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
結局2人で夕飯を食べたのは2時間が経過した所で、今は食後の時間としてカフェラテとお土産で買って貰ったクッキーをお皿に乗せてローテーブルに運んで、それぞれの定位置に座る。

俺は自分には抹茶を手にして苺を宝条さんに差し出したら、宝条さんはきょとんとした顔で俺を見た。

「2枚共、荒木さんの分ですけど?」
「2人で“一緒に食べたい”から、苺は宝条さんの分」
「ありが…とう、ござい…ます」
「食べよう」
「はい!」

宝条さんは最初は照れた表情だったのに、今はひまわりのような笑顔で微笑んで苺のクッキーを大事に食べ、俺も久しぶりに食べるクッキーの味を楽しむ。

「お茶会は楽しめた?」
「はい!スポーツ部の先輩達とも話すのは楽しいですが、女子だけって中々ないですし、恋バナ時間は凄く楽しめました」

苺のクッキーとカフェラテを交互に口に含みながら、宝条さんが楽しそうに様子を話し、俺は余りそう言った恋バナをしないな。

高坂さんは絶対にいじりも含むから話したくないけど、水瀬や姫川はどうだろ。水瀬は前に恋人と上手く行く前は凄く悩んで落ち込んで、行きつけのBarで普段飲まないロックを連続で頼んでたな。

その後は両想いになって、とても安堵して、そこからはちょいちょい2人の様子を水瀬経由で聞くけど、姫川は一切そう言った話題を自分から話さないし、俺もそうだから、宝条さんのことをきちんと話すのはもう少し先にと思う。

「荒木さんは本屋さんで何を買ったんですか?」
「スポーツの雑誌と、佐藤に勧められたバレーボールの日本代表の公式ガイドブックに、もし出張に行くとなったら必要になる観光地図、車の雑誌を買った」

本当は読みたかったミステリー要素の本は橘さんに譲って買わず、次に本屋に行って買えば良いと思って橘さんに会ったことは宝条さんに話さなかった。

「沢山買ったんですね。私も読書の時間を取ってないです」
「文字に触れると表現が増えるし、漢字の使い方も学べる」
「………宿題の3つ目は漢字の誤字脱字は減らします」
「減らすんじゃなくて、“無し”だけど」
「〜、分かってます!!」

拗ねながら苺のクッキーを食べる宝条さんに、俺は口元が緩みながら抹茶のクッキーを食べ、久しぶりの休日に幸せを感じながら過ごした。
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