スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
宝条さんの元に行き、シルバーのデジカメを差し出してみると、宝条さんは嬉しそうに受け取り、やっぱこういう表情をもっと見たいし、させたい。
夢中でボタンを押す姿を見て、写真が載るようになるには田所と秋山の壁が立ちはだかるだろう、本人がそこをどう乗り越えて行くのを傍でみたい、スポーツ部の皆がずっと“Scoperta”を作るという場所を守りたいから、6月号と7月号は部数会議で決めた販売数に到達するように皆と俺の内容の完成度を上げないと。
一旦荷持を撮影エリア取りに行って亮二とは次のシンクロの時に会う約束をして別れ、俺は宝条さんと食堂に行って早めのお昼にした。
そこで宝条さんから1冊の本を受け取り、そこで『橘さんから』と聞き、表情も暗く、その時本屋の事を詳しく言わなかった事に思い出し、俺としてはまた買えばいいからと思ったから言わなかっただけで、でも宝条さん的には違ったんだろう。
人の心はどう思っているのか難しいけれど、この暗い表情は分かるし、これを受け取って読んでも俺も感情移入がしにくいし、この本は返そうと決めた。
駅のホームで宝条さんが中畑に連絡をするので、俺も高坂さんに電話を掛ける。
『もしも〜し、どうした?取材じゃなかった?』
「終わった。そこに橘さんはいる?」
『いるよ。本人に代わる?』
「代わらなくていい。俺が四つ葉に戻ったら渡すものがあるって言って。それと、その場に高坂さんもいてほしい」
『良いよ。待ってる』
電話を切り、ホームに入線した電車に乗って藍山駅に向かうが、どうやって話して本を返すかを考え、この本は短期間で読み切れない内容だし、この作者の届けたい言葉をちゃんと読んでいるのだろうか、そうじゃなかったら作者に失礼だ。
1冊の本を作るまでに様々な工程を経て作られ、俺は数十ページだけだが、長編を書くには相当時間を要してるし、最後まで読んで欲しいと心を込めて書いてるから作者やその編集側の気持ちが分かるこそ、中途半端に手放しては駄目だと思う。
四つ葉について宝条さんを先に会議室に行かせ、俺は専務室に入ると高坂さんと橘さんがそれぞれの席にいて、俺は橘さんの机の前に立ってバックから本を差し出した。
「返す」
「え、でも…」
「これ、最後まで読んだ?」
「………」
俺の問いに橘さんは黙るので、小さく溜め息を吐く。
「この本は前回の本のあとがきで作者が書きたいって言っていた部分がある筈だけど、あった?」
「………」
「最後まで読まないのは作者に失礼だし、中途半端に貸されても読まない」
「………」
「あと、俺は自分のプライベートを周りに話せられるのは嫌いだー…」
「ストップ!仁、それ以上はもう止めな」
高坂さんの声にハッとして橘さんの顔をみると、本人は俯いている。
「言い過ぎた。でもこの本は読まないし、今後も本の貸しはしてこないで」
俺はそっと本を橘さんの机の上に置いて、専務室を出ていった。
夢中でボタンを押す姿を見て、写真が載るようになるには田所と秋山の壁が立ちはだかるだろう、本人がそこをどう乗り越えて行くのを傍でみたい、スポーツ部の皆がずっと“Scoperta”を作るという場所を守りたいから、6月号と7月号は部数会議で決めた販売数に到達するように皆と俺の内容の完成度を上げないと。
一旦荷持を撮影エリア取りに行って亮二とは次のシンクロの時に会う約束をして別れ、俺は宝条さんと食堂に行って早めのお昼にした。
そこで宝条さんから1冊の本を受け取り、そこで『橘さんから』と聞き、表情も暗く、その時本屋の事を詳しく言わなかった事に思い出し、俺としてはまた買えばいいからと思ったから言わなかっただけで、でも宝条さん的には違ったんだろう。
人の心はどう思っているのか難しいけれど、この暗い表情は分かるし、これを受け取って読んでも俺も感情移入がしにくいし、この本は返そうと決めた。
駅のホームで宝条さんが中畑に連絡をするので、俺も高坂さんに電話を掛ける。
『もしも〜し、どうした?取材じゃなかった?』
「終わった。そこに橘さんはいる?」
『いるよ。本人に代わる?』
「代わらなくていい。俺が四つ葉に戻ったら渡すものがあるって言って。それと、その場に高坂さんもいてほしい」
『良いよ。待ってる』
電話を切り、ホームに入線した電車に乗って藍山駅に向かうが、どうやって話して本を返すかを考え、この本は短期間で読み切れない内容だし、この作者の届けたい言葉をちゃんと読んでいるのだろうか、そうじゃなかったら作者に失礼だ。
1冊の本を作るまでに様々な工程を経て作られ、俺は数十ページだけだが、長編を書くには相当時間を要してるし、最後まで読んで欲しいと心を込めて書いてるから作者やその編集側の気持ちが分かるこそ、中途半端に手放しては駄目だと思う。
四つ葉について宝条さんを先に会議室に行かせ、俺は専務室に入ると高坂さんと橘さんがそれぞれの席にいて、俺は橘さんの机の前に立ってバックから本を差し出した。
「返す」
「え、でも…」
「これ、最後まで読んだ?」
「………」
俺の問いに橘さんは黙るので、小さく溜め息を吐く。
「この本は前回の本のあとがきで作者が書きたいって言っていた部分がある筈だけど、あった?」
「………」
「最後まで読まないのは作者に失礼だし、中途半端に貸されても読まない」
「………」
「あと、俺は自分のプライベートを周りに話せられるのは嫌いだー…」
「ストップ!仁、それ以上はもう止めな」
高坂さんの声にハッとして橘さんの顔をみると、本人は俯いている。
「言い過ぎた。でもこの本は読まないし、今後も本の貸しはしてこないで」
俺はそっと本を橘さんの机の上に置いて、専務室を出ていった。