スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
「新入社員の2人、四つ葉出版社へようこそ!」
「乾杯〜!!」

至るところからジョッキやグラスがぶつかり合う音がし、歓迎会がスタートをした。

ここは四つ葉出版社が大きな飲み会をする際によく使われる居酒屋の個室で、参加者は編集部以外の部署からもいるけど、3人の編集長達の姿は無く、私は橘さんと手分けしてお酌をしながら挨拶を続け、今はファッション部の人たちのエリアに座る。

「スポーツ部に配属された宝条です、今後とも宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくね!宝条さんのおかげで荒木編集長のかっこいいスーツ姿を見られたし、四つ葉に入ってくれて本当にありがとう!!」

ファッション部の人が、お酒が入った瓶を持つ私の手を両手でがっしりと包む。

「普段白シャツなのに、あのスーツ姿は反則だよね」
「確かに!写真を撮って待ち受けにしたかったけど、グッと我慢して目に焼き付けた」
「待ち受けにしたら幸運が常に舞い込みそうだよね〜」

ファッション部の女性社員達が荒木さんのことで盛り上がっているけど、荒木さんが幸運って、一体何なんだろう?

「あの、幸運ってどういう意味ですか?」
「荒木編集長ってね、普段四つ葉に来ることが少なくて、“ツチノコ”扱いなんだよ」
「荒木編集長を見れたら、“幸運が訪れる”って言う噂があるみたい」

入社式では“上司”というワードが追加されたけど、荒木さんは一体どんなワードをいくつも持っているんだろう。

「ネクタイを解く仕草も絵になっていたし、あのスーツ姿をずっと見たかったなぁ」
「そ、そうなんですね」

初めて編集部に入った時、一斉に女性社員達が荒木さんのことをみてたくらい、荒木さんって凄く人気なんだ。

次は高坂専務が座っているエリアに移動し、高坂専務が持つグラスにアルコールを注ぐ。

「本日は歓迎会を開いていただき、ありがとうございます」
「どーいたしまして。メンバーとも話せてる?」
「はい。今日は製作の中畑さんと、取材班の先輩達と色々話せましたし、いい人ばかりでホッとしました」
「良いねぇ。俺もスポーツ部に居る時に宝条さんがいたら、もっと楽しく過ごせたなぁ」
「高坂専務はスポーツ部だったんですか?」
「そうだよ~。いきなり上層部にいくのは抵抗があったし、自分の力で雑誌を作りたくてスポーツ部を作って、そして“Scoperta”が出来たんだよ」

まさか高坂専務がスポーツ部の大先輩で、“Scoperta”を創ったきっかけの人なんだ。
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