スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
いよいよ明日が青木印刷所に提出するギリギリの日になるが、取材はあるのでそれをこなしながら取材先の食堂や、飲食店で食事を終えてから原稿に取り組み続ける。
四つ葉に戻って会議室に少し顔を出したら、やはり佐藤の席は空席で、俺は田所を廊下に呼び出した。
「佐藤の様子はどう?」
「原稿をビリビリに破いた日、あいつの1人暮らしの部屋に突撃して、4時間は話し合いをしました」
「そう…、戻る気は無いって?」
「いいえ。『1人にさせて欲しい』と言われ、ただ青木印刷所の締め切りギリギリの日程は伝えています」
「バイク便に渡す時間迄が限界だし、それまでは佐藤が来るのを信じよう」
「はい…、俺も信じてます」
田所が会議室に戻るのを見届け、俺は2階の編集部に行き、自分の席に座って最後の仕上げをするために鉛筆を持ち、原稿用紙にどんどん言葉を書いていく。
するとコトンと音がして視線を左に向けると、缶珈琲が置かれたので見上げたら、姫川と水瀬が立っていた。
「一旦、休め」
「おにぎりもあるよ」
水瀬がコンビニで買ってきたであろう袋をガサッと俺の机の上に置き、2人はタウン情報部の椅子に座り、気づけば編集部は俺達だけだ。
「こんなに時間が経ってたのか」
「周りの声も気づいて無かったんだね」
「ああ」
「ま、腹が空いてふらふらしてたら右手でお見舞いするぞって言ったからな」
「暴力反対」
「早く食え」
「俺達も夜食を買ったから、食べよ」
「食べる」
俺は鉛筆を置いて缶珈琲とおにぎりを1つ手にして、交互に口に含む。
「何だか入社1年目を思い出すね」
「水瀬が原稿を落としそうになって、半泣きしてた事?」
俺が鮭おにぎりを手にしながら言う。
「そう。その時も姫川と仁が先に帰っていたと思ったのに、コンビニで買ってきたじゃん?あの時の丼ぶりの味が今でも覚えてる」
水瀬が目を細めながら俺達が四つ葉に入った頃を話す。
「他の連中なんて、さっさと帰ってたな」
「しょうがないよ。付き合わせることなんて出来ないし、次の日も仕事があるし。でも2人が戻ってきてくれたの本当に嬉しかったから、時間はかかったけど、お返しが出来たかな」
照れくさそうにおにぎりを食べる水瀬を見て、同期が水瀬で良かったし、姫川もこうして付き合ってくれるのが嬉しいと思う自分がいる。
「佐藤はどうなんだよ」
「まだ戻ってこないけど、来るのを信じている」
「仁が信じているなら、きっと大丈夫だよ」
「ああ」
俺は鮭おにぎりをバクッと食べ、口を動かしてると2人もおにぎりを頬張り、ゴミを片付け、改めて鉛筆を持ち、原稿用紙に走らせた。
そして2時間が過ぎ、日付を超えそうな時間にようやく書き上げて鉛筆を静かに置くと、姫川が右手を差し出す。
「貸せ。校正する」
「お願い」
「じゃあ俺はこっちの原稿を校正するよ」
「ありがとう」
2人が手分けしてパソコンで校正チェックをしてくれて、俺は静かに待ち続けると、2人が原稿を俺に渡した。
「スポーツをあまり知らない俺でもとても良い言葉がいっぱいあるし、仁がスポーツの事を凄く好きなんだって伝わったよ」
「俺もだ。お疲れさん」
「…………ありがとう」
受け取った原稿をクリップで留めて、荷物を纏めて3人で編集部を出た。
「あ〜、明日も街歩きだ。たまにはゆっくり朝を起きてぇ」
「俺もだよ。目覚ましかけないで寝たいね。仁は?」
「俺はー…」
ふと宝条さんとの朝の時間が浮かぶ。
「ゆっくり(宝条さんと)朝ご飯を食べたい」
仕事がある日だとゆっくりと食べれないから、本音を隠して本当ぽく言った。
「分かるよ、仕事だとゆっくり食べれないよね」
「俺はバァちゃんが作る焼き魚が食いたくなるな」
「良いね。俺は妹とよくソーセージの取り合いしてた。仁は?」
「少し甘めな卵焼きを食べたい」
「へぇ甘めが好きなんだ」
「………そう」
どんな時でも浮かぶのは宝条さんとの時間で、ノルマ3ヶ月をクリアしたら有休を取得して、2人でゆっくり朝ご飯を作って食べたい。
姫川達と駅で別れ、シェアハウスに向けてタクシーで帰宅した。
四つ葉に戻って会議室に少し顔を出したら、やはり佐藤の席は空席で、俺は田所を廊下に呼び出した。
「佐藤の様子はどう?」
「原稿をビリビリに破いた日、あいつの1人暮らしの部屋に突撃して、4時間は話し合いをしました」
「そう…、戻る気は無いって?」
「いいえ。『1人にさせて欲しい』と言われ、ただ青木印刷所の締め切りギリギリの日程は伝えています」
「バイク便に渡す時間迄が限界だし、それまでは佐藤が来るのを信じよう」
「はい…、俺も信じてます」
田所が会議室に戻るのを見届け、俺は2階の編集部に行き、自分の席に座って最後の仕上げをするために鉛筆を持ち、原稿用紙にどんどん言葉を書いていく。
するとコトンと音がして視線を左に向けると、缶珈琲が置かれたので見上げたら、姫川と水瀬が立っていた。
「一旦、休め」
「おにぎりもあるよ」
水瀬がコンビニで買ってきたであろう袋をガサッと俺の机の上に置き、2人はタウン情報部の椅子に座り、気づけば編集部は俺達だけだ。
「こんなに時間が経ってたのか」
「周りの声も気づいて無かったんだね」
「ああ」
「ま、腹が空いてふらふらしてたら右手でお見舞いするぞって言ったからな」
「暴力反対」
「早く食え」
「俺達も夜食を買ったから、食べよ」
「食べる」
俺は鉛筆を置いて缶珈琲とおにぎりを1つ手にして、交互に口に含む。
「何だか入社1年目を思い出すね」
「水瀬が原稿を落としそうになって、半泣きしてた事?」
俺が鮭おにぎりを手にしながら言う。
「そう。その時も姫川と仁が先に帰っていたと思ったのに、コンビニで買ってきたじゃん?あの時の丼ぶりの味が今でも覚えてる」
水瀬が目を細めながら俺達が四つ葉に入った頃を話す。
「他の連中なんて、さっさと帰ってたな」
「しょうがないよ。付き合わせることなんて出来ないし、次の日も仕事があるし。でも2人が戻ってきてくれたの本当に嬉しかったから、時間はかかったけど、お返しが出来たかな」
照れくさそうにおにぎりを食べる水瀬を見て、同期が水瀬で良かったし、姫川もこうして付き合ってくれるのが嬉しいと思う自分がいる。
「佐藤はどうなんだよ」
「まだ戻ってこないけど、来るのを信じている」
「仁が信じているなら、きっと大丈夫だよ」
「ああ」
俺は鮭おにぎりをバクッと食べ、口を動かしてると2人もおにぎりを頬張り、ゴミを片付け、改めて鉛筆を持ち、原稿用紙に走らせた。
そして2時間が過ぎ、日付を超えそうな時間にようやく書き上げて鉛筆を静かに置くと、姫川が右手を差し出す。
「貸せ。校正する」
「お願い」
「じゃあ俺はこっちの原稿を校正するよ」
「ありがとう」
2人が手分けしてパソコンで校正チェックをしてくれて、俺は静かに待ち続けると、2人が原稿を俺に渡した。
「スポーツをあまり知らない俺でもとても良い言葉がいっぱいあるし、仁がスポーツの事を凄く好きなんだって伝わったよ」
「俺もだ。お疲れさん」
「…………ありがとう」
受け取った原稿をクリップで留めて、荷物を纏めて3人で編集部を出た。
「あ〜、明日も街歩きだ。たまにはゆっくり朝を起きてぇ」
「俺もだよ。目覚ましかけないで寝たいね。仁は?」
「俺はー…」
ふと宝条さんとの朝の時間が浮かぶ。
「ゆっくり(宝条さんと)朝ご飯を食べたい」
仕事がある日だとゆっくりと食べれないから、本音を隠して本当ぽく言った。
「分かるよ、仕事だとゆっくり食べれないよね」
「俺はバァちゃんが作る焼き魚が食いたくなるな」
「良いね。俺は妹とよくソーセージの取り合いしてた。仁は?」
「少し甘めな卵焼きを食べたい」
「へぇ甘めが好きなんだ」
「………そう」
どんな時でも浮かぶのは宝条さんとの時間で、ノルマ3ヶ月をクリアしたら有休を取得して、2人でゆっくり朝ご飯を作って食べたい。
姫川達と駅で別れ、シェアハウスに向けてタクシーで帰宅した。