スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
「おはようございます!3日も休んで申し訳ございませんでした!」
「待ってたよ~」
会議室のドアがパタンと閉められ、俺も静かに専務室のドアを閉めた。
「何とか退院が出来て良かったな」
俺の隣に立つ高坂さんが、俺の右肩にポンと手を置く。
「退院は良いけど、“これ”をどうにかしたい」
「だよな」
高坂さんが手を離して自分の椅子に行き、ドカっと座り、俺は段ボールを高坂さんの机の上に置いて、蓋を開けた。
「栄養いっぱいの物って何だろ〜?お、ドリンクにゼリーにスティックね」
高坂さんは中身を物色して目をキラキラさせながら粉が入っている箱を手にしているけど、それは石井選手のメッセージ付きの奴だ。
「その箱に書いてあるメッセージ、読んで」
「どれどれ…、わぉ、佐藤の【退職願】の文字より良いじゃん」
「良くは無い」
このメッセージは善意もあるし好意も含んでいるのは分かるので、イラッとする。
「取り敢えず、貰った貰ってないとか書いた書いてないとか言われるのが想像が出来るし、写真に収めて置こう」
高坂さんはスーツの内ポケットからスマホを取り出し、写真を何枚か撮影をした。
「ま、宝条さんには伝わって無いのが救いだし、ビリッビリに破くね〜」
高坂さんは粉が入っている箱から中身を全部出すと両手で箱を思いっきりビリビリに破いて、残りの箱も同様に中身を出して破いた。
「あ〜仕事のストレスが溜まっていたから、超スッキリした」
高坂さんは破いたゴミくずをゴミ箱に突っ込み、栄養ゼリーもスティックも同様に全部捨てた。
「捨てるんだ」
「だって気持ち悪くね?粉はスポーツ部にあげるけど、生ものは口にしたら言い逃れ出来ないし、忘れられないぞ。ドリンクはトイレに流す」
「そうなんだ」
「お前も気をつけろ。取材先で飲食するなら食堂で、絶対に相手と一対一になるな」
高坂さんの忠告にふとシンクロのキャプテンの遠藤選手が浮かび、確かにカフェで話しがあるって言ってたな。
「昨日誘われたけど、断った」
「早速かよ。そのモテっぷりって、入社してからじゃん」
「知らない相手に誘われても1ミリも嬉しくない」
「お前ねぇ」
高坂さんは苦笑して深く溜め息を吐くけど、本当に知らない相手に誘われても嬉しくないし、好意を寄せられてもな。
それに俺には宝条さんがいるし、誤解されたくないし、悲しませたくはないから、これからも断るに決まっている。
「昼を食べたら石井選手の所に行くから、田所達にも事情は俺から言う。ただ宝条さんはお留守番をしてもらって、暫く中畑の元で仕事を振って」
「宝条さんにはシンクロの撮影の同行をお願いしてるんだけど」
「う〜ん、それって三輪っちもいるんでしょ?」
「亮二は馬鹿じゃないから、仕事はする」
行きつけのBarで亮二と宝条さんのことを話したら本人がそう言っていたし、亮二はちゃんと自分の仕事をする奴だ、そこは大丈夫だろ。
ただ亮二が宝条さんの腕を掴んでいた所を高坂さんが助けてくれた事があったから、高坂さんが亮二に警戒することは理解が出来る。
「じゃあ、俺もシンクロの撮影に同行するよ。監督にも挨拶をしたいし」
「仕事をサボりたいだけでしょ?」
「バレた?だって現場から離れていると、頭の固いおっさんばっかりの相手は疲れるよ」
「それは分かる」
俺だって高坂社長とか経理課のおっさんと話すのは嫌だし。
「でしょ?仁も仕事に戻って。また午後に」
「ああ」
高坂さんの机の上にある粉の袋を手にして専務室を出ると廊下に橘さんがいて、俺はそのまま何も言わず廊下を歩き、会議室のドアを開けて中に入った。
「おはようございます!3日も休んで申し訳ございませんでした!」
「待ってたよ~」
会議室のドアがパタンと閉められ、俺も静かに専務室のドアを閉めた。
「何とか退院が出来て良かったな」
俺の隣に立つ高坂さんが、俺の右肩にポンと手を置く。
「退院は良いけど、“これ”をどうにかしたい」
「だよな」
高坂さんが手を離して自分の椅子に行き、ドカっと座り、俺は段ボールを高坂さんの机の上に置いて、蓋を開けた。
「栄養いっぱいの物って何だろ〜?お、ドリンクにゼリーにスティックね」
高坂さんは中身を物色して目をキラキラさせながら粉が入っている箱を手にしているけど、それは石井選手のメッセージ付きの奴だ。
「その箱に書いてあるメッセージ、読んで」
「どれどれ…、わぉ、佐藤の【退職願】の文字より良いじゃん」
「良くは無い」
このメッセージは善意もあるし好意も含んでいるのは分かるので、イラッとする。
「取り敢えず、貰った貰ってないとか書いた書いてないとか言われるのが想像が出来るし、写真に収めて置こう」
高坂さんはスーツの内ポケットからスマホを取り出し、写真を何枚か撮影をした。
「ま、宝条さんには伝わって無いのが救いだし、ビリッビリに破くね〜」
高坂さんは粉が入っている箱から中身を全部出すと両手で箱を思いっきりビリビリに破いて、残りの箱も同様に中身を出して破いた。
「あ〜仕事のストレスが溜まっていたから、超スッキリした」
高坂さんは破いたゴミくずをゴミ箱に突っ込み、栄養ゼリーもスティックも同様に全部捨てた。
「捨てるんだ」
「だって気持ち悪くね?粉はスポーツ部にあげるけど、生ものは口にしたら言い逃れ出来ないし、忘れられないぞ。ドリンクはトイレに流す」
「そうなんだ」
「お前も気をつけろ。取材先で飲食するなら食堂で、絶対に相手と一対一になるな」
高坂さんの忠告にふとシンクロのキャプテンの遠藤選手が浮かび、確かにカフェで話しがあるって言ってたな。
「昨日誘われたけど、断った」
「早速かよ。そのモテっぷりって、入社してからじゃん」
「知らない相手に誘われても1ミリも嬉しくない」
「お前ねぇ」
高坂さんは苦笑して深く溜め息を吐くけど、本当に知らない相手に誘われても嬉しくないし、好意を寄せられてもな。
それに俺には宝条さんがいるし、誤解されたくないし、悲しませたくはないから、これからも断るに決まっている。
「昼を食べたら石井選手の所に行くから、田所達にも事情は俺から言う。ただ宝条さんはお留守番をしてもらって、暫く中畑の元で仕事を振って」
「宝条さんにはシンクロの撮影の同行をお願いしてるんだけど」
「う〜ん、それって三輪っちもいるんでしょ?」
「亮二は馬鹿じゃないから、仕事はする」
行きつけのBarで亮二と宝条さんのことを話したら本人がそう言っていたし、亮二はちゃんと自分の仕事をする奴だ、そこは大丈夫だろ。
ただ亮二が宝条さんの腕を掴んでいた所を高坂さんが助けてくれた事があったから、高坂さんが亮二に警戒することは理解が出来る。
「じゃあ、俺もシンクロの撮影に同行するよ。監督にも挨拶をしたいし」
「仕事をサボりたいだけでしょ?」
「バレた?だって現場から離れていると、頭の固いおっさんばっかりの相手は疲れるよ」
「それは分かる」
俺だって高坂社長とか経理課のおっさんと話すのは嫌だし。
「でしょ?仁も仕事に戻って。また午後に」
「ああ」
高坂さんの机の上にある粉の袋を手にして専務室を出ると廊下に橘さんがいて、俺はそのまま何も言わず廊下を歩き、会議室のドアを開けて中に入った。