スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
プルル…ー…

私達と熱帯魚が優雅に泳ぐ水槽の空気の音しか聞こえない部屋に、荒木さんのスマホの着信音が鳴り、そ〜と荒木さんの顔色を伺うと、前髪で表情が分からなくても、雰囲気的に怒っているに違いないと分かる。

荒木さんはルームウェアを掴んでいた両手を離して私から離れると、思いっきり溜め息を吐いた。

私は自分でルームウェアを直して体を起こして、荒木さんの様子を伺うと、本人はスマホを手に取って盛大な溜め息を吐いて私に背を向け、耳にスマホを当てる。

「何か用?」
『明日の会議でー…』
「四つ葉で聞く」

あぁ、このやり取りが初めてのお出かけの時とダブり、荒木さんは耳からスマホを離して、指で画面を高速にタップして机の上に置いた。

「高坂さんだった」
「やっぱり」

そうですよねって言う言葉を飲み込んで、荒木さんは上半身裸のままベットに上がる。

「……続きって言いたいけど、もしかしたらまた邪魔が入りそう」
「確かに。何だかタイミングが悪いというか、私達ってそういう流れを引き寄せるんですかね?」
「そんなの引き寄せなくていい」
「ふふっ…」

私が荒木さんの拗ねた感じで言う言い方に笑い、荒木さんはベットの掛け布団を捲って私を引き寄せ、2人で掛け布団に包まう。

荒木さんは上半身裸のままだから、肌の温もりがダイレクトに伝わって、私はドキドキの高鳴りが早くなり、荒木さんを見上げた。

「次は宝条さんもスマホの電源を落として」
「そうします」

“次は”って事は荒木さんの触れ合いが止まることが無くて、初めてを荒木さんと迎えることだよね。

痛みを与えられた箇所は荒木さんの唇の感触がまだ残っていて、最後まで大丈夫かな?満足して貰えるかな?私の前に付き合っていた元カノとも夜を共にしていたわけで、きっと私よりもスラっとした体型で、胸だって大きいはず。どうしよう、思考回路がネガティブになる。

「どうした?」
「えっと、1つお尋ねしても良いですか?」
「どんなこと?」
「荒木さんの元カノさんって私よりも体型って良いんですか?」
「……」

うう、こんな質問をされたら困るよね。でも荒木さんは私よりも大人だし、きっと元カノさんにも触れているわけで、あ〜も〜。

「変な質問をして、すいません!」
「確かに元カノとしたことはあるけど、1回しかした事がなくて、体型なんて覚えていない」
「1回?」
「そう。大学の1年の時だけど、その行為の後、大学中に言いふらされてうんざりして、『ふざけんな』って言って振ったから、覚えていない」

荒木さんはムスッとした感じで話し、私はそれを聞いて元カノさんに対してホッとするのは性格的に良いのか悪いのか…、荒木さんは大きな左手で私の右頬に添え、親指で私の唇をなぞる。

「俺がこれからずっと触れるのは宝条さんだけだ」
「……ありがとうございます」

私は目を細めながら微笑むと、荒木さんが私の首元に顔を埋める。

「次は…、次はもう止まらないし、大切に触れるから覚悟して」

私の首元に小さな痛みが走り、荒木さんは顔を上げる。

「このまま俺の部屋で朝を迎えたいけど、いい?」
「はい」

ゆっくり2人でベットに横になった。
< 287 / 356 >

この作品をシェア

pagetop