スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
専務室に戻り、4人で年明け1月号迄の具体的な内容を話し合う。

姫川は街歩きの候補地を幾つかあげ、よく見つけてくるなと関心するし、水瀬も最近新しいブランドのファッションショーに行ったり、秋冬に向けた撮影を続けていたり、副編が企画した毎月芸能関係の人達に登場してもらう座談会等を考えているようだ。

姫川と水瀬に休刊の検討になっていることは言えないから、俺はあくまでこういう内容でって事で、話し始める。

秋冬だと野球側はオフシーズンに入るので、次のシーズンまではサッカー側を伝う様にしているとこを伝え、これは佐藤が4日休んだのがきっかけで、片方が欠けてもカバーが出来るようにしたいのと、秋冬のスポーツにも力を入れたいこと、水野にそろそろ1本の記事を担当させて書かせてみようと検討している事を高坂さんに話す。

「水野が3日で書いたのは凄かったし、12月か1月で任せても良いかもね」
「正月にサッカーの天皇杯があるから、水野に打診する」
「新人のガキはどうなんだ」
「先ずは製作に集中させる。中途半端に取材もってなるとキャパオーバーになるし、先ずは多く原稿に触れさせて本を作るペースを掴んでもらう」

俺が姫川にそう言うと、高坂さんは満足気に微笑む。

「放置はすんなよ」
「しないし。宝条さんには本を作る編集の世界を好きになって欲しいから、俺がちゃんと見守る」
「本当に頑張っているよね。俺も副編ともう一人が結構成長しているから、最近は追い越されないように俺も頑張れるよ」
「九条もなぁ、取材の仕方は慣れてきたがカメラが下手すぎ」
「俺の所にいた時は、カメラなんてしてなかったからしょうがないよ。仁の所の秋山君だっけ?凄くカメラの腕がいいんでしょ?」

水瀬や姫川がそれぞれの部署の部下達を評価する中で、秋山の話になる。

「良いけど今は壁にぶつかっているから、今日の夜に秋山をある場所に連れて行く」
「へぇ、何処に行くの?」
「ー…っていう場所」
「はぁ?」
「何でそこに?」

水瀬に聞かれたから場所を答えたら、姫川と水瀬は驚くけど、秋山の“自分の目”を見直すきっかけになるならいいし。

「あそこの場所に行くんだ。今度4人で行っちゃう?仕事のストレスがMAXに溜まってるんだよねぇ」

高坂さんは目をキラキラさせて言うけど、きっとやることは決まってるんだろうな。

「俺だってガキの頃は弟と親父でやったし、高坂には負けねぇ」
「俺はしたことはないけど、当たるかなぁ」
「打つだけだし、難しくない」
「簡単に言うけどさ、仁の打つ姿は興味津々かも」
「じゃあ、日程は追って4兄弟のグループメッセージに流すよ。じゃあ、話し合いは終わりね」

姫川と水瀬が出ていくので、俺も続いてドアに向う。

「ねぇ、仁」

高坂さんに呼び止められたので振り向く。

「明日のお昼、宝条さんと過ごしたいんだけど良い?退院祝いにお昼の約束をしてるんだ」

お昼か、夜よりかは良いけれどそう言う約束をしてたんだ。

「………良いけど、2人きりってこと?」
「そうだね。美味しい料理で栄養をつけて欲しいし、じっくり話をしてみたいし」
「…………分かった。ちゃんと時間通りに四つ葉に戻ってこさせて」
「大丈夫。そこは安心して」
「ああ。じゃあ、戻る」

俺は専務室を出て、会議室に戻ろうと廊下を歩くけど、高坂さんのことは信用しているし平気だけど、やっぱ想っている人が男と食事って複雑だな。

秋山の事が終わったらシェアハウスに戻り、専務室での話や食事の事を宝条さんに話してみよう。
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