スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
電車に乗って会場の最寄り駅に到着し、同じ出版業界を目指している葵と合流した。
「葵、お待たせ」
「ううん、私も着いたばかりだよ」
葵は少女漫画が大好きでその漫画を出版する業界に絞っていて、いつも2人で出版業界に就職が出来るように励まし合っている。
一緒にビルに入ってエスカレーターを使って降りると、既にリクルートスーツを着た参加者達が列を作っていて、なんだか空気が熱気というよりもピリッとした感じで思わずごくっと唾を飲み込んだ。
「真琴、あそこでパンフレットを貰えるから出版社を確認しようよ」
「うん」
そういえばお父さんが読んでいた四つ葉出版社って、この説明会に参加をしているのかな?名前を思いだして説明会を取り仕切っているスタッフから会場案内のパンフレットを貰い、参加している企業の名前の一覧の中から四つ葉出版社を探してみる。
「四つ葉出版社…、四つ葉出版社…、あった」
名前の横に企業スペースの番号が割り振られていたのでパンフレットの地図で確認したら、大手出版社はスペースを広くとっていて流石だなぁと思うけど、四つ葉出版社は端に追いやられている感じがするなぁ……、私も聞いたことがない出版社だし、やはり就職するなら安定というか大手かなって思っちゃうよね。
葵とは別行動となり、さてと…四つ葉出版社のスペースに向かったらそこには男性1人しかおらず、参加者用の椅子も1つしかないし、他の参加者は四つ葉出版社の前を通り過ぎていく。
「みんな見向きもしない…」
それでもどんな出版社なんだろうと気にはなったので会場案内のパンフレットをギュッと抱きしめながら勇気を振り絞って、スペースに座っている人に声をかけてみた。
「あ、あの…、お話を伺っても宜しいでしょうか?」
「勿論です!どうぞおかけ下さい」
「失礼します」
男性はにこりと微笑んで、私は椅子に座って話を聞き始めた。
「我が出版社では、3つの雑誌を発行しています」
四つ葉出版社ではタウン情報誌『Focus』とファッション雑誌『Clover』、そしてスポーツ雑誌『Scoperta』の3誌を発行していて、担当の人が各雑誌の特徴を交えながら説明してもらい、今朝お父さんが見せてくれた『Scoperta』のことを思い出した。
「『Scoperta』は父が読んでいます」
「それはとても嬉しいです。『Scoperta』はイタリア語で"発見"という意味で、こちらはスポーツ雑誌としてはまだ認知が低いですが、読者にこのスポーツを知ってもらいたい、表ばかりではなくてそこに携わって関わっている人にも注目して"発見"して欲しい所からの意味も込めてスタートしました―…って、すいません、熱く喋り過ぎてしまいましたね」
「そんなことはありません。とてもこの雑誌が好きなんだと伝わりました」
担当の人が照れて頬を掻き、私もつられて微笑む。
「一方的に話してしまいましたが、我が出版社はいかがですか?初心者には大変さがありますが本を創ることの素晴らしさの経験が出来ますし、是非一緒に我が社を広めていきたいです」
「本を創る素晴らしさ…」
担当の人からの言葉に、高校生の頃から抱いていた"本を作ることに携わりたい"という気持ちのスイッチが押され、バックからエントリーシートと自己PRシートを取り出して担当の人に手渡す。
「四つ葉出版社にエントリーをしたいです。これは私のエントリーシートと自己PRシートです」
「ありがとうございます!後日改めて、人事課から面接についてご連絡致しますので、こちらのパンフレットに記載されています電話番号を登録をお願いします」
「はい、宜しくお願いします。本日はありがとうございました。失礼します」
私は深くお辞儀をして席を立って立ち去るとバックにしまっていたスマホが揺れたので、バックから取り出して指でタップをすると葵からメッセージが届いていた。
『真琴ー、こっちは終わったよ』
文末にお姫様と汗の絵文字が沢山あって、漫画好きな葵らしいな。
結局エントリーシートを出したのは四つ葉出版社だけで、私はビルの外で葵と合流して説明会の会場を後にした。
「葵、お待たせ」
「ううん、私も着いたばかりだよ」
葵は少女漫画が大好きでその漫画を出版する業界に絞っていて、いつも2人で出版業界に就職が出来るように励まし合っている。
一緒にビルに入ってエスカレーターを使って降りると、既にリクルートスーツを着た参加者達が列を作っていて、なんだか空気が熱気というよりもピリッとした感じで思わずごくっと唾を飲み込んだ。
「真琴、あそこでパンフレットを貰えるから出版社を確認しようよ」
「うん」
そういえばお父さんが読んでいた四つ葉出版社って、この説明会に参加をしているのかな?名前を思いだして説明会を取り仕切っているスタッフから会場案内のパンフレットを貰い、参加している企業の名前の一覧の中から四つ葉出版社を探してみる。
「四つ葉出版社…、四つ葉出版社…、あった」
名前の横に企業スペースの番号が割り振られていたのでパンフレットの地図で確認したら、大手出版社はスペースを広くとっていて流石だなぁと思うけど、四つ葉出版社は端に追いやられている感じがするなぁ……、私も聞いたことがない出版社だし、やはり就職するなら安定というか大手かなって思っちゃうよね。
葵とは別行動となり、さてと…四つ葉出版社のスペースに向かったらそこには男性1人しかおらず、参加者用の椅子も1つしかないし、他の参加者は四つ葉出版社の前を通り過ぎていく。
「みんな見向きもしない…」
それでもどんな出版社なんだろうと気にはなったので会場案内のパンフレットをギュッと抱きしめながら勇気を振り絞って、スペースに座っている人に声をかけてみた。
「あ、あの…、お話を伺っても宜しいでしょうか?」
「勿論です!どうぞおかけ下さい」
「失礼します」
男性はにこりと微笑んで、私は椅子に座って話を聞き始めた。
「我が出版社では、3つの雑誌を発行しています」
四つ葉出版社ではタウン情報誌『Focus』とファッション雑誌『Clover』、そしてスポーツ雑誌『Scoperta』の3誌を発行していて、担当の人が各雑誌の特徴を交えながら説明してもらい、今朝お父さんが見せてくれた『Scoperta』のことを思い出した。
「『Scoperta』は父が読んでいます」
「それはとても嬉しいです。『Scoperta』はイタリア語で"発見"という意味で、こちらはスポーツ雑誌としてはまだ認知が低いですが、読者にこのスポーツを知ってもらいたい、表ばかりではなくてそこに携わって関わっている人にも注目して"発見"して欲しい所からの意味も込めてスタートしました―…って、すいません、熱く喋り過ぎてしまいましたね」
「そんなことはありません。とてもこの雑誌が好きなんだと伝わりました」
担当の人が照れて頬を掻き、私もつられて微笑む。
「一方的に話してしまいましたが、我が出版社はいかがですか?初心者には大変さがありますが本を創ることの素晴らしさの経験が出来ますし、是非一緒に我が社を広めていきたいです」
「本を創る素晴らしさ…」
担当の人からの言葉に、高校生の頃から抱いていた"本を作ることに携わりたい"という気持ちのスイッチが押され、バックからエントリーシートと自己PRシートを取り出して担当の人に手渡す。
「四つ葉出版社にエントリーをしたいです。これは私のエントリーシートと自己PRシートです」
「ありがとうございます!後日改めて、人事課から面接についてご連絡致しますので、こちらのパンフレットに記載されています電話番号を登録をお願いします」
「はい、宜しくお願いします。本日はありがとうございました。失礼します」
私は深くお辞儀をして席を立って立ち去るとバックにしまっていたスマホが揺れたので、バックから取り出して指でタップをすると葵からメッセージが届いていた。
『真琴ー、こっちは終わったよ』
文末にお姫様と汗の絵文字が沢山あって、漫画好きな葵らしいな。
結局エントリーシートを出したのは四つ葉出版社だけで、私はビルの外で葵と合流して説明会の会場を後にした。