スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
宝条さんの部屋のドアを数回ノックしても、開かれる事は無く、小さく溜め息を吐いて自分の部屋に戻り、スマホで高坂さんに電話をすると3コールで出た。
「宝条さんと話したけど、納得してない。また話す」
『本人は納得はすんなりいかないだろうな。明日本人と話すから、任せてよ』
「お願い」
スマホを切って机の上に置いて、ここで寝てもな。部屋を出て階段を降りてリビングに入り、ここで待てば朝ご飯を食べようと来るはずだし、エアコンの電源を入れ、部屋の電気を消して大きなソファに横になった。
瞼を閉じればさっきの宝条さんの顔が浮かび、まだ納得はしていないのは分かるし、俺だって高坂さんに言う前は一緒に取材に行けると思ったけど、高坂さんの『1人1人に合ったペースでいかないと、いずれ体調不良じゃなくて心も壊れるぞ』の言葉で、編集長になりたてで仕事でふらふらな部下に原稿を書かせたけど、その辛さに気づけなかったことを思い出す。
宝条さんが同じ事にならないようにしたいし、田所達もだ。田所なんて俺のかわりを沢山こなしてくれてるし、佐藤も中畑も…、スポーツ部の皆を大事にしよう。
目が覚めるとまだリビングは静か…、ドアが開く音がして、宝条さんかと思って顔を向けようとしたらドサッっという音とまたバタンと音がして、リビングがしぃんとした。
俺は起き上がってリビングを出て玄関に行くと、宝条さんの靴が無い。
「先に行ったか…」
話し合おうと思ったがすんなりといかないな、小さく息を吐いて自分の部屋に戻り、今日は鷲尾さんに仮印刷された6月号の内容を確認してもらう為、クローゼットから黒のジャケットを出して白シャツの上に着て、シェアハウスを出る。
鷲尾さんの所に到着すると、嬉しそうに内容を読んでもらった。
「こうして自分が話した事が載るのって、嬉しいです。それと今日は宝条さんは?」
「実は先日体調不良で入院し、今は退院しています。無理はさせないよう、今は弊社で仕事をしています」
「それは残念。でも無理は禁物ですし、次に会えるのを楽しみにしていますよ」
「ええ、そうですね」
鷲尾さんと握手して部屋を出るとバックにしまっていたスマホが揺れたので、廊下の隅で取り出すと画面には田所の名前で着信だった。
今って会議室にいるはずだけど、どうしたんだ?と思いながら通話ボタンを押して、耳に当てる。
「どうした?」
『高坂専務が突然会議室に来て、宝条さんを何処かに連れて行きました』
本当にランチに行こうとしてたんだというか、相変わらずな行動力だな。
「高坂さんは何か言っていた?」
『荒木編集長に何も言わなくても良いと仰って、昼迄には戻ってくるからって』
話しを聞くってのは聞いたけど、流石に2人きりで何処かに行くのはモヤっとする。
「悪いけど、秘書の橘さんに高坂さんの行き先を聞ける?」
『このまま専務室に行きますね……、すいません、高坂専務ってどちらにいます?ええ、はい…、ありがとうございます…、お待たせしました、◯◯ホテルです』
「分かった、ありがとう。高坂さんに連絡するから、田所達は会議室を出るのは何時?」
『午後2時で、四つ葉に戻るのは9時予定です』
「分かった。残るのは電車があるうちにして」
『はい、分かりました。失礼します』
田所と通話を終えて、俺は野球施設を出てタクシーを呼び寄せ、◯◯ホテルに向かう。高坂さんに電話をしても通じないだろうし、直接行くしかない。
そして◯◯ホテルに到着し、案内板を見て食事が出来る店舗は1つしかないからエレベーターに乗り、高層階へ上がり、店舗の入り口に立つ男性に名刺を見せ、高坂さんを呼ぶように伝えると男性は中に入り、暫くして高坂さんが来た。
「思っていたより早く来たね」
「仕事中に連れて行くのはどうかと思うけど」
「朝、宝条さんと話しをした。本人も仁の気持ちに分かっていなくて反省はしていたし、後は2人でゆっくり話しな」
高坂さんが俺の背中をポンと叩く。
「もしかして、これが狙い?」
「いーや、ここの予約は宝条さんが入院している時に決めていたし、美味しい料理を食べたかったのは本当だよ。でも朝に聞いたから同じ事を話してもね、丁度仁が来て料理が無駄にならないから良かったよ。次は一美と来て、夜景を見ながら楽しむね。じゃっ」
高坂さんは手をひらひらさせながらエレベーターに向かい、乗り込んでいった。
一美と来るのは本当にやりそうだけど、先ずは宝条さんの所に行くか。
「少し相手と話をしたいので、俺が合図するまで食事の提供を待ってくださいますか?そんなに時間はかけません」
「かしこまりました。ご案内します」
通された窓側の席に宝条さんが外の景色を眺めていて、俺は左手で宝条さんの頭にポンと置くと、本人はゆっくりと顔を見上げ、俺の事を見て目を見開いていた。
宝条さんの部屋のドアを数回ノックしても、開かれる事は無く、小さく溜め息を吐いて自分の部屋に戻り、スマホで高坂さんに電話をすると3コールで出た。
「宝条さんと話したけど、納得してない。また話す」
『本人は納得はすんなりいかないだろうな。明日本人と話すから、任せてよ』
「お願い」
スマホを切って机の上に置いて、ここで寝てもな。部屋を出て階段を降りてリビングに入り、ここで待てば朝ご飯を食べようと来るはずだし、エアコンの電源を入れ、部屋の電気を消して大きなソファに横になった。
瞼を閉じればさっきの宝条さんの顔が浮かび、まだ納得はしていないのは分かるし、俺だって高坂さんに言う前は一緒に取材に行けると思ったけど、高坂さんの『1人1人に合ったペースでいかないと、いずれ体調不良じゃなくて心も壊れるぞ』の言葉で、編集長になりたてで仕事でふらふらな部下に原稿を書かせたけど、その辛さに気づけなかったことを思い出す。
宝条さんが同じ事にならないようにしたいし、田所達もだ。田所なんて俺のかわりを沢山こなしてくれてるし、佐藤も中畑も…、スポーツ部の皆を大事にしよう。
目が覚めるとまだリビングは静か…、ドアが開く音がして、宝条さんかと思って顔を向けようとしたらドサッっという音とまたバタンと音がして、リビングがしぃんとした。
俺は起き上がってリビングを出て玄関に行くと、宝条さんの靴が無い。
「先に行ったか…」
話し合おうと思ったがすんなりといかないな、小さく息を吐いて自分の部屋に戻り、今日は鷲尾さんに仮印刷された6月号の内容を確認してもらう為、クローゼットから黒のジャケットを出して白シャツの上に着て、シェアハウスを出る。
鷲尾さんの所に到着すると、嬉しそうに内容を読んでもらった。
「こうして自分が話した事が載るのって、嬉しいです。それと今日は宝条さんは?」
「実は先日体調不良で入院し、今は退院しています。無理はさせないよう、今は弊社で仕事をしています」
「それは残念。でも無理は禁物ですし、次に会えるのを楽しみにしていますよ」
「ええ、そうですね」
鷲尾さんと握手して部屋を出るとバックにしまっていたスマホが揺れたので、廊下の隅で取り出すと画面には田所の名前で着信だった。
今って会議室にいるはずだけど、どうしたんだ?と思いながら通話ボタンを押して、耳に当てる。
「どうした?」
『高坂専務が突然会議室に来て、宝条さんを何処かに連れて行きました』
本当にランチに行こうとしてたんだというか、相変わらずな行動力だな。
「高坂さんは何か言っていた?」
『荒木編集長に何も言わなくても良いと仰って、昼迄には戻ってくるからって』
話しを聞くってのは聞いたけど、流石に2人きりで何処かに行くのはモヤっとする。
「悪いけど、秘書の橘さんに高坂さんの行き先を聞ける?」
『このまま専務室に行きますね……、すいません、高坂専務ってどちらにいます?ええ、はい…、ありがとうございます…、お待たせしました、◯◯ホテルです』
「分かった、ありがとう。高坂さんに連絡するから、田所達は会議室を出るのは何時?」
『午後2時で、四つ葉に戻るのは9時予定です』
「分かった。残るのは電車があるうちにして」
『はい、分かりました。失礼します』
田所と通話を終えて、俺は野球施設を出てタクシーを呼び寄せ、◯◯ホテルに向かう。高坂さんに電話をしても通じないだろうし、直接行くしかない。
そして◯◯ホテルに到着し、案内板を見て食事が出来る店舗は1つしかないからエレベーターに乗り、高層階へ上がり、店舗の入り口に立つ男性に名刺を見せ、高坂さんを呼ぶように伝えると男性は中に入り、暫くして高坂さんが来た。
「思っていたより早く来たね」
「仕事中に連れて行くのはどうかと思うけど」
「朝、宝条さんと話しをした。本人も仁の気持ちに分かっていなくて反省はしていたし、後は2人でゆっくり話しな」
高坂さんが俺の背中をポンと叩く。
「もしかして、これが狙い?」
「いーや、ここの予約は宝条さんが入院している時に決めていたし、美味しい料理を食べたかったのは本当だよ。でも朝に聞いたから同じ事を話してもね、丁度仁が来て料理が無駄にならないから良かったよ。次は一美と来て、夜景を見ながら楽しむね。じゃっ」
高坂さんは手をひらひらさせながらエレベーターに向かい、乗り込んでいった。
一美と来るのは本当にやりそうだけど、先ずは宝条さんの所に行くか。
「少し相手と話をしたいので、俺が合図するまで食事の提供を待ってくださいますか?そんなに時間はかけません」
「かしこまりました。ご案内します」
通された窓側の席に宝条さんが外の景色を眺めていて、俺は左手で宝条さんの頭にポンと置くと、本人はゆっくりと顔を見上げ、俺の事を見て目を見開いていた。