スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
どうして荒木さんがここに?本人は高坂専務が座っていた椅子に静かに座り、バックを背中に回して置いた。
どうしよう、朝も黙ってシェアハウスを出てきちゃったし、えっと、どうやって話そうか口が上手く動かない。
「昨日は強く言って、ご免」
「私も意地を張って、すいませんでした」
「高坂さんと朝にどんな話をした?」
「実は朝、水瀬編集長に偶然会った所からになるんですけどー…という話を3人に聞きました。荒木さんがこうして私の事を考えていたのに、意地を張って…」
「俺も1人1人合ったペースを見直すきっかけになった。だから今は製作でペースを掴んで行こう、そしてその度に話を聞くから何かあったらきちんと話して欲しい」
「は…」
“い”と言う言葉と同時にお腹が鳴り、朝おにぎりを食べたのに!ちらっと荒木さんを見るとフッと笑っていて、めちゃ恥ずかしいし、顔が熱い。
荒木さんは左手を上げると、配膳する人が静かに荒木さんの側に来た。
「食事をお願いします」
「かしこまりました。お飲み物はいかが致しますか?」
「これと同じ炭酸系で」
「はい、お持ちします」
配膳の人が新しく飲み物のグラスを荒木さんの側に置き、2人でグラスを掲げる。
「改めて、退院が出来て良かった。今は食事を楽しもう」
「はい」
私ははにかみながらオレンジを飲み、運ばれた前菜は綺麗に盛り付けられていて、わぁと心が躍る。
「綺麗で食べるのが勿体ないです」
「食べないと体力がつかない」
「そうですね。頂きます」
ナイフとフォークを使い、前菜を一口含むととても美味しくて、うんうんと頷いちゃうし、このソースも美味し〜。荒木さんも黙々と食べて、ナイフやフォークを持つ仕草が格好いい。
「どうかした?」
「ナイフを持つ仕草が格好いいなって」
私が前菜の野菜をパクっと食べると、荒木さんは口元が笑っている。
「普通に食べているだけなんだけど」
「格好いいのは格好いいんですよ」
「……ありがとう」
ちょっと拗ね気味に私が言うと、荒木さんはポツリ言い、カットしたトマトを食べる。
いつもシェアハウスのリビングで食べるから、こうした場所での食事は雰囲気が全然違うし、水瀬編集長が言っていたように高坂専務のお店選びってハズレが無いと思った。
次にメインとスープが運ばれ、どうしよう、ランチなのにこんな贅沢な物ばかりで、気分が高まるし、料理や窓側から見える景色もだけど、荒木さんとだからもっと料理が美味しく感じるかもしれないな。
スープをゆっくり堪能していると、荒木さんは飲み物を含み、静かにグラスを置く。
「田所達にここに来るって言ってないから、秘密にしないと」
「そうですね。私も最初は行き先は知らされなくて、この雰囲気と料理に先輩達には言えないので、2人だけの秘密にします」
「ああ」
2人で笑い、最後に配膳の人がデザートのケーキを数種類を乗せたワゴンを押しながら私達の下に来た。
苺にメロン、こっちは大きなプティングの塊で、チョコにモンブランがあるから、どれにしようか迷う。
「荒木さんは決めました?」
「迷っているから、先に決めて」
「私も迷ってます」
「それでしたらミニサイズの正方形にカットしますので、少しづつお召し上がり下さい」
「良いんですか?」
「勿論です。パティシエ自慢のスウィーツなので、ご堪能下さい」
私はやったぁと満面の笑みになり、次々と切られる様子をじっくり見て、綺麗にカットされたケーキを一皿に2人分を乗せ、配膳の人が下がった。
「とても良いサービスですね」
「そうだな。後で高坂さんに礼を言わないと」
「あの、このホテルってお土産を買えたり出来ますか?高坂専務にお礼を渡したいです。あ、あと、水瀬編集長と姫川編集長にも話を聞いてくださったので」
「宝条さんのその優しさ、俺は好きだな」
「え…」
“俺は好きだな”って初めて言われた…、どうしよう、顔がニヤける。
「ほら、四つ葉に戻る時間があるし、食べるよ」
「はい」
ニヤける口元を誤魔化すようにデザート用のフォークで先ずはチョコ、メロンと食べ、スポンジがふんわりして口の中で直ぐ溶けちゃう。
荒木さんも次々と食べていて、お互い最後は苺が乗ったケーキで、私は思い残す事がないようにじっくりとケーキを食べ、苺の果実を食べてゆっくり噛んでゴクッと食べた。
「美味しくて満足です」
「良かった」
荒木さんもケーキを食べ、苺の果実をフォークで刺すと私に向けて差し出す。
「荒木さんは食べないんですか?」
「宝条さんのイメージとして苺だから、食べて」
「ありがとうございます」
周囲を見渡して誰も見ていない筈だから、苺の果実をパクっと食べる。
「美味しい?」
「………」
私は無言で頷いて、指で丸の形をすると荒木さんはフッと笑う。
食べ終わってオレンジを飲みきり、2人の秘密なランチが終わり、本当に贅沢だった。
2人でお会計の場所に行き、荒木さんがジャケットの内側に手を入れてお財布を出そうとする。
「高坂様から頂戴していますので、次もお待ちしています」
「やられた」
「益々お土産を買わないと。このホテルにお土産を買える場所はありますか?」
「2階にカフェがございまして、そちらにパティシエ監修のお土産がございます。個人的にフィナンシェの詰め合わせを推しております」
「それにしましょう」
私は荒木さんを見上げると、荒木さんも頷く。
「今日は素敵な食事の時間を過ごせました」
「私もです。とても美味しいお料理ばかりで、今も嬉しい気持ちです」
「ありがとうございます。夜景もおすすめですので、心よりお待ちしています」
2人でお会計の方にお礼をして、エレベーターに向かう為に歩くと、荒木さんが私の手を握る。
「2階に行くまで、“こう”したい」
「はい…」
私が小さく返事をして握り返すと、荒木さんはフッと笑い、エレベーターに乗り、荒木さんが2階へのボタンを押すとドアが閉まって、ゆっくりと下降し始め、私は窓から見える景色を目に焼き付けようと、じぃっと見る。
「どれも美味しいお料理ばかりで、デザートも良かったです。まだ口の中に味が残ってます」
「そうなんだ」
「そうですー…」
“よ”と荒木さんの方に顔を見上げた瞬間、唇が重なり、え?ええ?と瞬きして、そっと唇が離れる。
「甘い」
「ここ、エレベーターですし、途中で停まるかもしれないですよ?」
「停まれば離せばいいし、宝条さんの甘さ、もう一度食べたいから、良い?」
そんな事を言われたら断れないから、ゆっくり頷くと、荒木さんがまた顔を近付けて唇が重なり、どうかエレベーターが途中で停まりませんようにと、荒木さんの黒ジャケットをギュッと握った。
どうしよう、朝も黙ってシェアハウスを出てきちゃったし、えっと、どうやって話そうか口が上手く動かない。
「昨日は強く言って、ご免」
「私も意地を張って、すいませんでした」
「高坂さんと朝にどんな話をした?」
「実は朝、水瀬編集長に偶然会った所からになるんですけどー…という話を3人に聞きました。荒木さんがこうして私の事を考えていたのに、意地を張って…」
「俺も1人1人合ったペースを見直すきっかけになった。だから今は製作でペースを掴んで行こう、そしてその度に話を聞くから何かあったらきちんと話して欲しい」
「は…」
“い”と言う言葉と同時にお腹が鳴り、朝おにぎりを食べたのに!ちらっと荒木さんを見るとフッと笑っていて、めちゃ恥ずかしいし、顔が熱い。
荒木さんは左手を上げると、配膳する人が静かに荒木さんの側に来た。
「食事をお願いします」
「かしこまりました。お飲み物はいかが致しますか?」
「これと同じ炭酸系で」
「はい、お持ちします」
配膳の人が新しく飲み物のグラスを荒木さんの側に置き、2人でグラスを掲げる。
「改めて、退院が出来て良かった。今は食事を楽しもう」
「はい」
私ははにかみながらオレンジを飲み、運ばれた前菜は綺麗に盛り付けられていて、わぁと心が躍る。
「綺麗で食べるのが勿体ないです」
「食べないと体力がつかない」
「そうですね。頂きます」
ナイフとフォークを使い、前菜を一口含むととても美味しくて、うんうんと頷いちゃうし、このソースも美味し〜。荒木さんも黙々と食べて、ナイフやフォークを持つ仕草が格好いい。
「どうかした?」
「ナイフを持つ仕草が格好いいなって」
私が前菜の野菜をパクっと食べると、荒木さんは口元が笑っている。
「普通に食べているだけなんだけど」
「格好いいのは格好いいんですよ」
「……ありがとう」
ちょっと拗ね気味に私が言うと、荒木さんはポツリ言い、カットしたトマトを食べる。
いつもシェアハウスのリビングで食べるから、こうした場所での食事は雰囲気が全然違うし、水瀬編集長が言っていたように高坂専務のお店選びってハズレが無いと思った。
次にメインとスープが運ばれ、どうしよう、ランチなのにこんな贅沢な物ばかりで、気分が高まるし、料理や窓側から見える景色もだけど、荒木さんとだからもっと料理が美味しく感じるかもしれないな。
スープをゆっくり堪能していると、荒木さんは飲み物を含み、静かにグラスを置く。
「田所達にここに来るって言ってないから、秘密にしないと」
「そうですね。私も最初は行き先は知らされなくて、この雰囲気と料理に先輩達には言えないので、2人だけの秘密にします」
「ああ」
2人で笑い、最後に配膳の人がデザートのケーキを数種類を乗せたワゴンを押しながら私達の下に来た。
苺にメロン、こっちは大きなプティングの塊で、チョコにモンブランがあるから、どれにしようか迷う。
「荒木さんは決めました?」
「迷っているから、先に決めて」
「私も迷ってます」
「それでしたらミニサイズの正方形にカットしますので、少しづつお召し上がり下さい」
「良いんですか?」
「勿論です。パティシエ自慢のスウィーツなので、ご堪能下さい」
私はやったぁと満面の笑みになり、次々と切られる様子をじっくり見て、綺麗にカットされたケーキを一皿に2人分を乗せ、配膳の人が下がった。
「とても良いサービスですね」
「そうだな。後で高坂さんに礼を言わないと」
「あの、このホテルってお土産を買えたり出来ますか?高坂専務にお礼を渡したいです。あ、あと、水瀬編集長と姫川編集長にも話を聞いてくださったので」
「宝条さんのその優しさ、俺は好きだな」
「え…」
“俺は好きだな”って初めて言われた…、どうしよう、顔がニヤける。
「ほら、四つ葉に戻る時間があるし、食べるよ」
「はい」
ニヤける口元を誤魔化すようにデザート用のフォークで先ずはチョコ、メロンと食べ、スポンジがふんわりして口の中で直ぐ溶けちゃう。
荒木さんも次々と食べていて、お互い最後は苺が乗ったケーキで、私は思い残す事がないようにじっくりとケーキを食べ、苺の果実を食べてゆっくり噛んでゴクッと食べた。
「美味しくて満足です」
「良かった」
荒木さんもケーキを食べ、苺の果実をフォークで刺すと私に向けて差し出す。
「荒木さんは食べないんですか?」
「宝条さんのイメージとして苺だから、食べて」
「ありがとうございます」
周囲を見渡して誰も見ていない筈だから、苺の果実をパクっと食べる。
「美味しい?」
「………」
私は無言で頷いて、指で丸の形をすると荒木さんはフッと笑う。
食べ終わってオレンジを飲みきり、2人の秘密なランチが終わり、本当に贅沢だった。
2人でお会計の場所に行き、荒木さんがジャケットの内側に手を入れてお財布を出そうとする。
「高坂様から頂戴していますので、次もお待ちしています」
「やられた」
「益々お土産を買わないと。このホテルにお土産を買える場所はありますか?」
「2階にカフェがございまして、そちらにパティシエ監修のお土産がございます。個人的にフィナンシェの詰め合わせを推しております」
「それにしましょう」
私は荒木さんを見上げると、荒木さんも頷く。
「今日は素敵な食事の時間を過ごせました」
「私もです。とても美味しいお料理ばかりで、今も嬉しい気持ちです」
「ありがとうございます。夜景もおすすめですので、心よりお待ちしています」
2人でお会計の方にお礼をして、エレベーターに向かう為に歩くと、荒木さんが私の手を握る。
「2階に行くまで、“こう”したい」
「はい…」
私が小さく返事をして握り返すと、荒木さんはフッと笑い、エレベーターに乗り、荒木さんが2階へのボタンを押すとドアが閉まって、ゆっくりと下降し始め、私は窓から見える景色を目に焼き付けようと、じぃっと見る。
「どれも美味しいお料理ばかりで、デザートも良かったです。まだ口の中に味が残ってます」
「そうなんだ」
「そうですー…」
“よ”と荒木さんの方に顔を見上げた瞬間、唇が重なり、え?ええ?と瞬きして、そっと唇が離れる。
「甘い」
「ここ、エレベーターですし、途中で停まるかもしれないですよ?」
「停まれば離せばいいし、宝条さんの甘さ、もう一度食べたいから、良い?」
そんな事を言われたら断れないから、ゆっくり頷くと、荒木さんがまた顔を近付けて唇が重なり、どうかエレベーターが途中で停まりませんようにと、荒木さんの黒ジャケットをギュッと握った。