スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁

交代でお風呂に入り、今はリビングでいつものようにテレビ放送のノート書きを2人でする。

時折真琴からの質問に答えたり、テレビ放送のアナウンサーからの情報を2人で真剣に聞き入った。

今日のノートもいい感じに埋まり、A班の野球側も球宴の特集に気合が入っていたし、7月号にもページを取らせたい。

真琴がノートとペンを纏めてその場から立とうとするから、俺は真琴の左手を自分の右手でギュッとする。

「部屋に戻るの?」
「明日の朝ご飯を作るんで、寝ないと」

それは分かるけど…、明日の夜はお互い別々で過ごすから、せめて今は一緒にいたい。

「ここで真琴といたい」

俺がストレートに想いを伝えると、真琴は口をへの字にして目を潤ませる。

「………折角平常心でお休みなさいって言いたかったんですけど…」

俺はグイッと真琴を引き寄せたら、ノートとペンがバサッとカーペットの上に落ちて、真琴を俺に跨がせるような体勢にした。

「明日の夜は別々だから、出張で会えない分を補給するから覚悟してって言ったけど」

俺がそう言うと真琴は顔を真っ赤にさせて、俺の首元に顔をコテンとさせるので、俺は優しく腕を真琴の背中に回す。

「我儘を言って良いですか?」
「勿論」
「お土産、買ってきて下さい」
「どんな?」
「ご飯に合う美味しいお供が良いです」
「それで良いの?」
「それ“が”良いんです。それを仁さんと一緒に食べたいんですよ」

参ったな、そんな事を言われると嫌がっていた出張に行かないと。

「とびっきり美味しいお供を買うから、楽しみにして」

俺がそう言うと、真琴は顔を上げて微笑む。

「まだ我儘を言っても良いですか?」
「いくらでも聞く」
「寂しかったら、電話をしても良いですか?」
「ああ、良いよ」
「向こうでもちゃんと食事をして下さい」
「うん、食べる」
「後…」
「後?」

真琴が顔を真っ赤にして、口を開く。

「仁さんを補給したいです」
「ー!ー」

その言い方、狡いし、真似されるとはと面を食らうけど、こんな我儘は我儘じゃない。

「ねぇ真琴、補給するから目を閉じて」
「………」

真琴が瞼を閉じれば、俺は真琴に唇を重ね、そっと真琴の体勢をゆっくりとカーペットの上に寝かせ、俺達はお互いを補給するかのように唇を重ね続けた。
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