スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
携帯のアラームが鳴り、起きて腕をう〜んと上に伸ばして、よし、着替えようっと。

ベットから降りて着替え、バックに必要な物を入れて部屋を出て1階に降り、リビングに入ってバックを小さなソファに置いて、リビングを出てお風呂場に入って洗面台で顔を洗う。

「はよう」

メイクしなくちゃとタオルで顔を拭いていたら、上下グレーのスウェット姿の荒木さんが入ってきて、洗面台で歯を磨き始めるんだけど、ヤバい、今はメイクをしてないし、すっぴんじゃん!と気づいてタオルで顔を隠す。

「お、おはようございます」
「タオルをしたまま息苦しくないの?」
「今はメイクをしてなくて、素顔を見られたら嫌なんです!」

タオル越しだと声がこもるけど、すっぴんを見られるよりマシだし、うう…、シェアハウスだとこう言う場面も起こりえるんだと思ってたら、頭にポンと手が置かれる感触があった。

「別に素顔でも気にしてないのに」
「え、ちょっと手を動かさないで下さい!タオルが取れちゃいますって」

頭を何度もくしゃくしゃしてくるので、必死に抗議する。

「あのさ…」
「何ですか?」
「いや、何でもない。先に出る」

大きな手がそっと離れたのでタオルをそ〜っとどけると荒木さんの姿が無く、さっきは何を言いかけたんだろう?とにかくメイクをして私も四つ葉出版社に行かないと遅刻しちゃう。

手早くメイクを済ませ、朝ご飯はヨーグルトとパンを1個だけ食べ、お弁当をバックに入れてシェアハウスを出た。

電車から見える景色にも慣れ、藍山駅から四つ葉出版社に向かい、入り口のビルに入るとロビーには高坂専務と秘書に配属された橘さんがいて、橘さんが熱心にメモを取る姿をみて、私も頑張らなくちゃ。

両手で頬を叩いて気合い入れ、階段を使って2階にあがってICカードを使い、編集部に入るとスポーツ部のエリアは机の上に突っ伏している田所副編集長と、キーボードの傍に栄養ドリンクが3本くらい置いて黙々と打ち込む中畑さんがいて、2人とも服装は昨日と違えど、ここに泊まっていたんだとわかる。

荒木さんの席は空席で、私よりも先にシェアハウスを出た筈なのになと思いながら自分の席についてバックから荷物を取り出していると、先輩達も出勤し始めた。

「田所さん、もうすぐ会議の時間が迫りますよ」

中畑さんが突っ伏している田所副編集長の体を揺らし、本人はゆっくりと体を起こした。

「おはよう。大体みんな揃っているから、3階の会議室に行こうか。九条さん、すいませんがスポーツ部に電話がかかってきたら番号を控えて後で折り返すと伝えていただけますか?」
「はい、分かりました」

田所副編集長はタウン情報部にいる九条さんという女性に電話番をお願いし、私たちは揃って編集部を出て3階に移動した。
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