スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◇実家にお泊まり?!in宝条家
私はお父さんとリビングのソファに座っていて、お母さんはお茶の準備でキッチンに、お父さんは“Scoperta”の5月号を静かに読んでいる。

そして家のインターホンが鳴り、高坂専務達が来たのかな?と思い、私が立ち上がろうとしたらお父さんが手で制し、“Scoperta”の5月号を静かにソファに置いてお父さんだけがリビングのドアを開けて玄関に向かった。

私はどんな状況か知りたくて開いているリビングのドアからそぉ~っと顔を出して様子を見たら、お父さんの背中でどんな風になっているか分からず、ゴクッと唾を飲む。

「頭を上げて下さい」

お父さんの声が感情がこもっていないというか、怒っているのかそうではないかが分からないや。

「外の目があるので上がって下さい。和室にどうぞ」

お父さんが振り向いて私に指で和室の方を指したので、私はキッチンにいるお母さんに顔を向ける。

「お父さんが和室に高坂専務達を通すみたい。私がお茶を持って行く」
「分かったわ。お母さんは和菓子を持って行くからね」

私とお母さんでそれぞれお茶と和菓子をお盆に乗せて和室に行くと、上座にお父さん、対面の形で高坂専務と仁さんが座っていて、私は静かにお茶を3人の前に置いて、お父さん、お母さん、私の順で正座して座った。

「この度は宝条さんに大変怖い思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした」

高坂専務が切り出すと仁さんも一緒に深く頭を下げ、私はお父さんの方を見るけど、お父さんは姫川編集長のようにブスッとしている。

「どうして娘が閉じ込められたのでしょうか?」

お父さんが質問を投げかけると、2人は頭を上げる。

「閉じ込めた張本人は『宝条さんに対して嫉妬があった』、とそう申していました。今回は度を超えているので、警察に間に入って頂き、然るべき裁きもあるでしょう」

高坂専務がそう答えると、お父さんは物凄い溜め息を吐いた。

「そんな理由で娘は閉じ込められたんですか?」
「はい」

高坂専務はお父さんの質問に、真っ直ぐ前を向いて答える。

「益々真琴を四つ葉に戻すことは出来ないな」
「お父さん!私は四つ葉を辞めないって言ったよ!!」
「お前は黙りなさい!!」
「ー!ー」

お父さんが今までにない大声で私に言い、体がビクッとする。

「宝条さんは自分の部屋に行って」
「でも…」
「お母さんは真琴を部屋に連れて行ったら、戻ってきなさい」
「分かったわ。ほら、真琴」

仁さんに部屋に行くように言われ、まだお父さんに四つ葉を続けたいと言おうとしたいのに…、お母さんに腕を引かれ、渋々和室を出て2階の自分の部屋に行く。

「真琴が四つ葉で続けたいと思うのもお父さんだって分かっているけれど、心配するのは親として当たり前よ。これから1週間は真琴の行動次第でお父さんに伝えなさい」
「お母さん…」
「あんなに素敵な人達が真琴の為に来てくれるのね」
「うん…、凄く素敵だし、先輩もね、すっごくカメラの撮影が上手な先輩がいてね、文章も上手な先輩達が多くて、今はその先輩達の原稿の清書をする時間が楽しいんだ」
「そう言うのをお父さんが待っているんだから、あと30分したら1階に降りて来なさい。今はお父さんは興奮してまともに聞ける状態じゃ無いわ」
「うん…、そうする」

お母さんは私の部屋を出て行き、1人でポツンと部屋にいる。

今頃お父さんが高坂専務を思いっきり怒っているだろうな…、今私が出来るのって…、私はバックからノートを取り出して、3つ目の宿題を取り組み始めた。
< 334 / 370 >

この作品をシェア

pagetop