スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
腕時計を見ると夜6時28分になっていて、俺は水瀬との約束をすべく、荷物を纏めて席を立つ。
「申し訳ないけど、2階にいる水瀬と約束があるから先に出る。電話はいつでも繋がるし、残業は9時まで」
「分かりました」
「お疲れ様でした」
スポーツ部の皆に先に上がる事を伝えて会議室を出て、2階の編集部に入り、水瀬の所に行く。
「終わった」
「こっちも大丈夫。先に帰るね」
水瀬もファッション部に挨拶をし、2人で四つ葉出て藍山駅から電車で移動し、久しぶりに行きつけのBarの最寄り駅に着いた。
徒歩で歩き、鉄の扉を開けると三斗が俺の姿を見てぱぁっと明るくなる。
「やっと来た。いつものを飲む?」
「今はいい。夕飯を食べてないから烏龍と、つまめるもの。水瀬は?」
「うーん、仁が最初は飲まないなら、それに合わせて同じのを飲むよ。俺は野菜系のおつまみで」
「かしこまりました。高坂さんのデカい烏龍のボトルがまだあるから、それを使っちゃおう」
三斗が料理に取り組み始め、俺達は店の奥のテーブル席に座り、三斗から用意されたつまみと烏龍で食事を始める。
「健康診断が気になって、最近は野菜を摂るようになったんだ」
「水瀬は太ってないし、食事制限をかける方が悪影響」
俺は烏龍が入っているグラスに口をつけて、ゆっくり飲む。
「仁だって普段はロックなのに、烏龍だなんて珍しいね」
「この後、電話を掛ける約束があるから酔ったままは駄目だろ」
シェアハウスに帰ったら真琴と電話をする約束があるから、酔ったままは絶対に嫌だ。
「確かに、それは言えるね。最近の仕事でさ流行りのファッションがー…」
水瀬は疑問に思わず納得し、雑誌の内容には触れずに流行の服装の話題になり、ファッション部はファッション部で流行を察知するのも記事にするのも大変そうだ。
「ファッション雑誌を独走している出版社と差別化を図っているけど、雑誌自体を購入する人が少ないと部数会議で勝ち取った数字に届かないんだよね」
水瀬は野菜をバクッと食べ、やはり手に取って貰えるようにしないと苦境に立たされるよな。
「スポーツも、勝てば注目されるけど、負けたらさぁっとファンが引いていくし、去年の秋頃の部数の結果は酷かったな」
俺も三斗から用意されたつまみを口に含み、烏龍を飲む。
「そうなんだ。でも6月号と7月号は強気に出たなって思ったし、この間、仁の原稿を校正した時はなんて素晴らしい言葉がいっぱいなんだろうと思ったよ。6月号に載るんでしょ?」
そうか、水瀬は結果を知らないのか。
「俺のは載らない。佐藤と水野の原稿が載る」
「ええ?あんなに良かったのに?」
「佐藤のは相当な時間をかけて取材をしていたのが分かるし、水野は『3日で書き上げるので、挑戦させて下さい』で、本当に凄かった」
俺は2人の熱意が籠もった原稿をどうしても読者に届けたくて、自分の原稿は世に出なくても良いと思った。
「折角校正までしてもらったのに、俺の判断で申し訳ない」
「いいよ、仁がそうしたいのなら間違いがないよ。でも勿体ないな」
水瀬が残念がるのは無理もない、1人の編集者として原稿が読者に読まれないことは辛いけれど、2人の原稿は絶対に読んでほしかったから、高坂さんにも強気で載せて欲しいと言った。
「そろそろ1杯だけ、飲む?」
「飲む」
2人でグラスを持ってカウンターの所に行き、三斗からお互いが好きな飲み物を注いで貰い、また席に戻った。
腕時計を見ると夜6時28分になっていて、俺は水瀬との約束をすべく、荷物を纏めて席を立つ。
「申し訳ないけど、2階にいる水瀬と約束があるから先に出る。電話はいつでも繋がるし、残業は9時まで」
「分かりました」
「お疲れ様でした」
スポーツ部の皆に先に上がる事を伝えて会議室を出て、2階の編集部に入り、水瀬の所に行く。
「終わった」
「こっちも大丈夫。先に帰るね」
水瀬もファッション部に挨拶をし、2人で四つ葉出て藍山駅から電車で移動し、久しぶりに行きつけのBarの最寄り駅に着いた。
徒歩で歩き、鉄の扉を開けると三斗が俺の姿を見てぱぁっと明るくなる。
「やっと来た。いつものを飲む?」
「今はいい。夕飯を食べてないから烏龍と、つまめるもの。水瀬は?」
「うーん、仁が最初は飲まないなら、それに合わせて同じのを飲むよ。俺は野菜系のおつまみで」
「かしこまりました。高坂さんのデカい烏龍のボトルがまだあるから、それを使っちゃおう」
三斗が料理に取り組み始め、俺達は店の奥のテーブル席に座り、三斗から用意されたつまみと烏龍で食事を始める。
「健康診断が気になって、最近は野菜を摂るようになったんだ」
「水瀬は太ってないし、食事制限をかける方が悪影響」
俺は烏龍が入っているグラスに口をつけて、ゆっくり飲む。
「仁だって普段はロックなのに、烏龍だなんて珍しいね」
「この後、電話を掛ける約束があるから酔ったままは駄目だろ」
シェアハウスに帰ったら真琴と電話をする約束があるから、酔ったままは絶対に嫌だ。
「確かに、それは言えるね。最近の仕事でさ流行りのファッションがー…」
水瀬は疑問に思わず納得し、雑誌の内容には触れずに流行の服装の話題になり、ファッション部はファッション部で流行を察知するのも記事にするのも大変そうだ。
「ファッション雑誌を独走している出版社と差別化を図っているけど、雑誌自体を購入する人が少ないと部数会議で勝ち取った数字に届かないんだよね」
水瀬は野菜をバクッと食べ、やはり手に取って貰えるようにしないと苦境に立たされるよな。
「スポーツも、勝てば注目されるけど、負けたらさぁっとファンが引いていくし、去年の秋頃の部数の結果は酷かったな」
俺も三斗から用意されたつまみを口に含み、烏龍を飲む。
「そうなんだ。でも6月号と7月号は強気に出たなって思ったし、この間、仁の原稿を校正した時はなんて素晴らしい言葉がいっぱいなんだろうと思ったよ。6月号に載るんでしょ?」
そうか、水瀬は結果を知らないのか。
「俺のは載らない。佐藤と水野の原稿が載る」
「ええ?あんなに良かったのに?」
「佐藤のは相当な時間をかけて取材をしていたのが分かるし、水野は『3日で書き上げるので、挑戦させて下さい』で、本当に凄かった」
俺は2人の熱意が籠もった原稿をどうしても読者に届けたくて、自分の原稿は世に出なくても良いと思った。
「折角校正までしてもらったのに、俺の判断で申し訳ない」
「いいよ、仁がそうしたいのなら間違いがないよ。でも勿体ないな」
水瀬が残念がるのは無理もない、1人の編集者として原稿が読者に読まれないことは辛いけれど、2人の原稿は絶対に読んでほしかったから、高坂さんにも強気で載せて欲しいと言った。
「そろそろ1杯だけ、飲む?」
「飲む」
2人でグラスを持ってカウンターの所に行き、三斗からお互いが好きな飲み物を注いで貰い、また席に戻った。