スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
プール内に音楽が鳴り響き、実際の試合を想定して選手達は煌びやかな衣装を纏い、自国のイメージとして白生地に桃色の花びらの模様、髪型は水の抵抗を無くすために一つに固められた纏め髪で、頭の一部に桜の花びら、メイクは水で落ちないように専用の化粧品を使っているとキャプテンの遠藤選手から教えてもらった。
選手達が整列しながらプールサイドに立つとポージングをし、音楽のリズムに乗りながら次々と入水し、全員が中に入ったら連続した足技の演技から始まり、以前見学した際よりも足の角度が揃ってきている。
「あの足技って、ここ最近の演技の冒頭に必ず入れてますね」
俺の隣に座っている真琴がそう言うので記憶を遡ると、確かに冒頭で取り入れられていて、インパクトを与えている。
「V字型の隊列になって、そこから足技から体を外に出して手技の…そうです、あの手技の流れって凄く綺麗で、音楽のリズムにすっごく合うなって」
「へぇ、宝条さんは演技の勉強もしてきたんだ」
「これでも自宅待機だったんで、たーっぷり映像を観る時間があったんですよ。最初は口をぽかんとしながら観ていましたけど、足技や手技の事も井上監督のインタビューやドキュメントの映像を観ながら覚えました」
真琴と高坂専務のやり取りを聞いて、真琴なりにスポーツに触れていて嬉しい。
水中に潜っていた秋山が顔を出して呼吸を整え、また水中に潜るのを見て、どんな風に写真を撮るのか結果が楽しみだ。
「30秒後に大技のジャンプが来るから、見逃さないで」
「はい」
俺は一番の見せ場となるジャンプを見逃してほしくないから、ずっと見るように伝え、秋山が水中から顔を出してカメラを構え、そして音楽も最高潮に鳴り響く中で大技のジャンプが披露された。
選手達がジャンプの土台を作りながら水中から出てきて、一番上の選手がバク宙をしながら回る姿は体の軸がぶれてなく、表情も完璧に作っていて、バク宙をした選手が入水する際の水しぶきは大きなものではなく、最小限に水しぶきが跳ねるだけ、この技を完璧に仕上げるために相当な練習をしたのが分かる。
ちらっと真琴に視線を向けると目元が潤んでいて、本当なら目元を拭ってあげたいけど高坂さんや周りの目があるし、グッと耐えた。
「流石だね」
「ここまで揃えられるなんて、上手く言葉が出てこない自分が恥ずかしいです」
「これからスポーツに触れていけば、宝条さんが届けたい言葉が出てくるよ。まだ演技が続くから、しっかり目に焼き付けようね」
「はい…」
高坂さんも演技に満足気で、真琴は自分の服の袖口で目元を拭って真っ直ぐ演技を見届け、俺も見続けた。
音楽が鳴り止むと真琴が大きく拍手をし、俺も高坂さんも選手達の演技を讃えるために拍手を送る。
秋山が水中から出てきて俺の所に来て、カメラを差し出したので受け取った。
「フィードバック、お願いします」
「良いよ。水中の撮影、ありがとう。確認するから、休憩して」
「はい」
秋山は私物のバックが置かれているベンチに向かい、バックからタオルを取り出して頭をガシガシと拭き、俺は液晶画面を操作して写真を確認し始めた。
入水した選手達との距離もよく、水中であっても表情を捉えていて、選手達の気迫も伝わるし、足技をやっている時は体が水中に入っているけれどバランスを保つように手を動かしながら泳いでいる姿もきちんと撮れている。
そして秋山が撮りたがっていたジャンプも、選手がバク宙をしている所は連写機能をうまく使って撮れており、凄いな、去年の季刊の時よりも選手の動きをきちんと捉えていた。
俺はベンチから立ち上がって井上監督の元へ行き、秋山が撮った写真を見せる。
「これが秋山の“自分の目”で撮った写真です」
「まぁ!こんなにも綺麗に撮れるのね。うん、入水したときもきちんと隊列を崩していないし、ジャンプに向かう過程もよく撮れているし、あ、土台の選手の軸が少しぶれているわ。ここはもう一度選手に聞いて、練習をさせるわね。秋山君にお礼を言いたいから、呼んでもらっていいかしら?」
「呼んできます」
俺は秋山の元に行くと、秋山は呼吸を整えようと深呼吸を繰り返していた。
「井上監督が秋山にお礼を言いたいって。俺もこの写真を撮ってくれたの凄く嬉しいし、成長したなって思った」
「ありがとうございます!俺んちや水野の風呂場で水中撮影の練習したんで、後で水野にも礼を伝えて下さい」
「水野の家に行ったのか」
「俺が荒木編集長とシンクロの撮影の話しを四つ葉でしていた日、水野が『俺もカメラの技術を増やしたいから教えてよ』って、あいつの家に行ったら一人暮らしなのに風呂がデカくて。男2人で盛り上がりながら水中撮影の練習しました」
秋山は楽しそうにその時の様子を話し、みんなそれぞれ技術を磨き出しているんだ…、俺もカメラの技術を落とさないようにしたいな。
「今度水野を誘って、カメラの練習をしてみる?」
「やった!荒木編集長とじっくりカメラのことをやりたかったんで、絶対に約束して実現させて下さいね」
「俺は高坂さんと違って気まぐれに決めないから、7月号が終わったら時間を作る」
「はい!パーツのメンテナンスをして、次は客席から撮りますね」
「お願い。井上監督の所に行くよ」
俺は秋山にカメラを渡し、2人で井上監督の所に行くと、井上監督は秋山の肩をバンバンと叩く。
「痛いです」
「も〜こんなに素敵な写真を撮ってくれてありがとね!選手の体の軸が乱れている所があって、私の位置から見えにくい所だったけど、こうして写真を取ると動きが分かっていいわね。試合の日程まで時間があるし、この後写真のデータをコピーしてもらっていいかしら?」
「俺の写真でお役に立てれば嬉しいので、是非使ってください」
「ありがと〜。10分、休憩を挟むから荒木君も秋山君達も休憩してね。次は予選会の演技を披露するわ」
井上監督は嬉しそうに秋山の功績を讃え、選手達の元へ行った。
プール内に音楽が鳴り響き、実際の試合を想定して選手達は煌びやかな衣装を纏い、自国のイメージとして白生地に桃色の花びらの模様、髪型は水の抵抗を無くすために一つに固められた纏め髪で、頭の一部に桜の花びら、メイクは水で落ちないように専用の化粧品を使っているとキャプテンの遠藤選手から教えてもらった。
選手達が整列しながらプールサイドに立つとポージングをし、音楽のリズムに乗りながら次々と入水し、全員が中に入ったら連続した足技の演技から始まり、以前見学した際よりも足の角度が揃ってきている。
「あの足技って、ここ最近の演技の冒頭に必ず入れてますね」
俺の隣に座っている真琴がそう言うので記憶を遡ると、確かに冒頭で取り入れられていて、インパクトを与えている。
「V字型の隊列になって、そこから足技から体を外に出して手技の…そうです、あの手技の流れって凄く綺麗で、音楽のリズムにすっごく合うなって」
「へぇ、宝条さんは演技の勉強もしてきたんだ」
「これでも自宅待機だったんで、たーっぷり映像を観る時間があったんですよ。最初は口をぽかんとしながら観ていましたけど、足技や手技の事も井上監督のインタビューやドキュメントの映像を観ながら覚えました」
真琴と高坂専務のやり取りを聞いて、真琴なりにスポーツに触れていて嬉しい。
水中に潜っていた秋山が顔を出して呼吸を整え、また水中に潜るのを見て、どんな風に写真を撮るのか結果が楽しみだ。
「30秒後に大技のジャンプが来るから、見逃さないで」
「はい」
俺は一番の見せ場となるジャンプを見逃してほしくないから、ずっと見るように伝え、秋山が水中から顔を出してカメラを構え、そして音楽も最高潮に鳴り響く中で大技のジャンプが披露された。
選手達がジャンプの土台を作りながら水中から出てきて、一番上の選手がバク宙をしながら回る姿は体の軸がぶれてなく、表情も完璧に作っていて、バク宙をした選手が入水する際の水しぶきは大きなものではなく、最小限に水しぶきが跳ねるだけ、この技を完璧に仕上げるために相当な練習をしたのが分かる。
ちらっと真琴に視線を向けると目元が潤んでいて、本当なら目元を拭ってあげたいけど高坂さんや周りの目があるし、グッと耐えた。
「流石だね」
「ここまで揃えられるなんて、上手く言葉が出てこない自分が恥ずかしいです」
「これからスポーツに触れていけば、宝条さんが届けたい言葉が出てくるよ。まだ演技が続くから、しっかり目に焼き付けようね」
「はい…」
高坂さんも演技に満足気で、真琴は自分の服の袖口で目元を拭って真っ直ぐ演技を見届け、俺も見続けた。
音楽が鳴り止むと真琴が大きく拍手をし、俺も高坂さんも選手達の演技を讃えるために拍手を送る。
秋山が水中から出てきて俺の所に来て、カメラを差し出したので受け取った。
「フィードバック、お願いします」
「良いよ。水中の撮影、ありがとう。確認するから、休憩して」
「はい」
秋山は私物のバックが置かれているベンチに向かい、バックからタオルを取り出して頭をガシガシと拭き、俺は液晶画面を操作して写真を確認し始めた。
入水した選手達との距離もよく、水中であっても表情を捉えていて、選手達の気迫も伝わるし、足技をやっている時は体が水中に入っているけれどバランスを保つように手を動かしながら泳いでいる姿もきちんと撮れている。
そして秋山が撮りたがっていたジャンプも、選手がバク宙をしている所は連写機能をうまく使って撮れており、凄いな、去年の季刊の時よりも選手の動きをきちんと捉えていた。
俺はベンチから立ち上がって井上監督の元へ行き、秋山が撮った写真を見せる。
「これが秋山の“自分の目”で撮った写真です」
「まぁ!こんなにも綺麗に撮れるのね。うん、入水したときもきちんと隊列を崩していないし、ジャンプに向かう過程もよく撮れているし、あ、土台の選手の軸が少しぶれているわ。ここはもう一度選手に聞いて、練習をさせるわね。秋山君にお礼を言いたいから、呼んでもらっていいかしら?」
「呼んできます」
俺は秋山の元に行くと、秋山は呼吸を整えようと深呼吸を繰り返していた。
「井上監督が秋山にお礼を言いたいって。俺もこの写真を撮ってくれたの凄く嬉しいし、成長したなって思った」
「ありがとうございます!俺んちや水野の風呂場で水中撮影の練習したんで、後で水野にも礼を伝えて下さい」
「水野の家に行ったのか」
「俺が荒木編集長とシンクロの撮影の話しを四つ葉でしていた日、水野が『俺もカメラの技術を増やしたいから教えてよ』って、あいつの家に行ったら一人暮らしなのに風呂がデカくて。男2人で盛り上がりながら水中撮影の練習しました」
秋山は楽しそうにその時の様子を話し、みんなそれぞれ技術を磨き出しているんだ…、俺もカメラの技術を落とさないようにしたいな。
「今度水野を誘って、カメラの練習をしてみる?」
「やった!荒木編集長とじっくりカメラのことをやりたかったんで、絶対に約束して実現させて下さいね」
「俺は高坂さんと違って気まぐれに決めないから、7月号が終わったら時間を作る」
「はい!パーツのメンテナンスをして、次は客席から撮りますね」
「お願い。井上監督の所に行くよ」
俺は秋山にカメラを渡し、2人で井上監督の所に行くと、井上監督は秋山の肩をバンバンと叩く。
「痛いです」
「も〜こんなに素敵な写真を撮ってくれてありがとね!選手の体の軸が乱れている所があって、私の位置から見えにくい所だったけど、こうして写真を取ると動きが分かっていいわね。試合の日程まで時間があるし、この後写真のデータをコピーしてもらっていいかしら?」
「俺の写真でお役に立てれば嬉しいので、是非使ってください」
「ありがと〜。10分、休憩を挟むから荒木君も秋山君達も休憩してね。次は予選会の演技を披露するわ」
井上監督は嬉しそうに秋山の功績を讃え、選手達の元へ行った。